
夏の間、いたるところで咲いていた野ばら。
正しくは野茨(ノイバラ)、学名ではRosa multifloraといいます。
「ベルサイユのバラ」「イングリッシュガーデン」という名のせいか
バラというと西洋のイメージがありますが
これは日本を代表するバラの原種で万葉集や源氏物語にも登場しています。
そんな野ばらが秋になって赤い実をつけました。
まだ赤い実のうちに枝を切ってドライフラワーにすると素敵な花材となり
おそらく購入したら2枝で2千円ぐらいもするはずです。
しかし気がついたら雨と寒さでご覧のようにすっかり黒くなってしまいました。
さてこの野ばらやハマナスなどはアジア原産のバラの原種ですが
あまりに地味なのでバラという感じがしません。
しかしこれらがないと現在のバラはできなかったといいます。
なぜなら枝分かれして小花をたくさん咲かせたり、つる性の形質は
アジアのバラのものであり、これがヨーロッパのバラと掛け合わされて
今に至っているからです。
地味ですが現在のバラの優れた形質はアジアから
届けられたものだったのです。
しかし残念ながら黒くなったバラの実は使い道がありません。