Jリーグで滅多にいない日本人による得点王に輝き、意気揚々とドイツに渡った高原直泰。
『スシボンバー』という愛称の下、一体どれだけ活躍するのかとハンブルグ市民はもとより、日本のサッカーファンも注目していたのに、蓋を開けてみたら、大した実績を残せず仕舞い。
オリバー・カーンからゴールを奪って、“おお、これはっ!!”と期待を抱かせたものの、後が続かなかった。
まあ、監督の起用方針とぶつかったりしたせいもあったのだけど、Jリーグ得点王という肩書きを引っさげて渡独したことを考慮すると……

日本ではあまり報道されなかったけど、現地では高原のことがケチョンケチョンになじられていたとか。
“日本人は、やはりサッカーが下手だ”とか“尾崎や奥寺とは大違い”だとか、そんな言われ方をしたらしい。

吾輩も、高原のドイツ1シーズン目のパッとしない結果に、城などもそうだったけど、FWというポジションの日本人プレイヤーは、欧州では花開かないものだと感じたものだ。

ところが、チームを変えて、ドイツ連邦リーグの水に馴染んだこともあって、ようやく高原の得点能力がドイツでも発揮出来るようになった。
同じ日本人として嬉しくなった反面、ブンデスリーガのフットボールに慣れるまでそんなに時間が掛かるのかよ、とも思ったものだ。

 

いま現在、アルビレックス新潟の背番号9を背負うアレッサンドロ選手。
ブラジルの全国2部リーグで得点王になった選手である。
2部ではあるけれど、そこはサッカー王国ブラジルであり、そのステージでゴールを量産できたのだから、それ相当の能力があるのは疑いようが無い。
第一、偶然や運だけで、10点も20点も取れやしないもん。

ウォーミングアップの様子を見ても、技術は有るなあとは感じる。

けど、けど、けど、現状のアレはあんな調子だ。
Aという国のリーグでトップスコアラーになった選手が、Bという国に移籍しても同様にゴールを量産できるかと言えば、必ずしもそうはならないというのは高原直泰の例からも明らか。

じゃあ、高原がそうであったように、根気強くJリーグの水に合うようになるまで待とうかというと、今のアルビにそんな余裕は無い。

きっと新潟サポの大多数が、昨日のアレを観て〝限界〟を感じたのではなかろうか。
ここまでは〝慣らし運転〟ということで大目に見ていたけど、流石に、リーグ戦4試合・カップ戦2試合、計6試合を経過して、あんなんじゃあ、堪忍袋の緒が切れようというもの。

レッズ戦後、一緒に観戦・応援していた人たちに、

“もう純和製(メンバー)で次(=鹿島戦)やった方がいいと思いません?”

“少なくともアレじゃなく河原(スタメン)の方がいいですよね?”

と同意を求めたのだけれど、今度は、弊ブログにアクセスしているみなさんにお尋ねします――

    “アレを先発から外して河原スタメンを希望しませんか?”

 

レッドダイヤモンズ戦とアントラーズ戦と2試合続けて、「アレOUT・河原IN」、という交代策を使ったのだけど、その結果、アルビの攻撃がどう変化したかは、ご覧のとおり。
明らかに、明らかに、明らかに、河原をピッチに送り出してからの方が、アルビの攻撃が活性化されている。
本山退場という要素を差し引いても、河原が投入されだしてから、アルビの盛り返しが強くなった。

まず、運動量。
アレって動かないよねぇ。
よくよく観察すると、前線からの守備はそれなりにしているのだけど、肝心要の攻撃に関しては、てんで動かない。
本人は、精一杯動き回っているつもりなのかもしれないけど、Jリーグ基準では動いてないも同然。

次に、ボールキープ力。
それにしても、アレは、よくボールを奪われる。
ポストプレーもダメ。
アルビレックス移籍当初の矢野貴章並みに、ボールが収まらない。

敵チームは、アレにパスが渡るのを虎視眈々と狙っていて、渡った瞬間に一斉に襲い掛かるよね。
3人掛かりで来られたら奪われても仕方ないけど、でも1対1であっても、容易にボールロストする場面が目に付く。

昨日のゲームで、こんなシーンがあったのを覚えてますか?
当然、強く記憶に残っていますよね。
誰だったかは忘れたけど、鹿島のボールホルダーの背後から矢野が急襲して、ボールを奪取、すかさずカウンターアタックを試みます。
そしてキショーは、アレにパスを出す――――

    が、アレはそのボールをキープ出来ず……

そんでもって、逆襲を受けて、以下、ムニャムニャ……

折角の好機、テレビ画面上では、残っていたアントラーズの選手はCBの2人だけ。
アレがきちんとボールをキープして、自らドリブルで持ち込むなり、スルーパスを通すなりすれば、ゴールまで迫れたのに。
あ〃 それがあっという間にボールを失い、攻撃のリズムが作れない…。

分析するに、今季のアルビの攻撃には、厚みがない。
2列目・3列目からの飛び出しも、滅多に見られない。
何故かと考えたら、アレのボールロストを恐怖する余り、後方の選手が前に進めないからではないか。

キープ力が高かったらいいのだけど、そうじゃなく、簡単にボールを奪われるアレ。
これじゃあ、後ろの選手は、カウンター喰らうのを危惧して、勇気を持って前線に飛び出すことは出来ない。
そして、それ故、前線に選手の数が揃わないから、攻撃が停滞して横パスが多くなり、味方を探してキョロキョロしたりしてリズムを悪くし、そこを敵チームに狙われる。

そしてシュートへの意識の弱さ。

アントラーズ戦前半、矢野貴章がハイボールに競り勝って落としたボールにアレが反応して、シュートを放った。
後半には、ロングボールから攻撃で、ダヴィのパスを受けてゴールを狙った。
ああいうのは、今までに観られなかったシーンで、徐々にではあるけど、慣れてきたのかな?とは感じた。

でも、全然物足りない。


ブラジル人ストライカーって、滅多やたらとシュートを放つ、そういう〝生き物〟だと思っていた。
マルクス然り、エジミウソン然り。
ヴェルディに出戻りのフッキもそうだし、ブラジルFWは、兎に角、どんどんシュートを打っていく。

セルジオ越後さんなど、“日本人選手のゴール数が少ないのは積極的にシュートを狙わないから、ブラジル人のように、ゴールが見えたらすぐ打たないと”と頻繁に口にするものだけど、殊、アレッサンドロの場合は例外に思える。

いや、シュートを放とうというのは何となく感じるのだけれど、「躊躇」「ためらい」がそこには介在するように見えてならない。

今、吾輩はブラジル時代のアレッサンドロのプレーを観たい衝動に駆られている。
ダイジェストシーンではなく、全試合、それぞれ90分間ずつのVTRをチェックしたくて仕方ない。
どんな風に得点を量産してきたのか、観たくて観たくてならない。

アレの能力を十二分に引き出すヒントが、そこにあると思う。
まさか、全てのゴールが、FKやPKに因るものじゃないとは思うけど。


 

 

鹿島アントラーズのダニーロ選手-きのう2日の試合で途中交代で出てきたブラジル人だけど-彼はFIFAクラブワールドカップに出場して、世界ナンバー1になったサンパウロの一員。
それも控え選手ではなく、バリバリの主力。
鳴り物入りで、2007シーズンにアントラーズに加入したけど、Jリーグのプレースタイルになかなか合わず、オリヴェイラ監督も遂には見切ったという経緯があります。

ま、見切ったと言っても、スタメンから外して、出場させるとしたら後半途中からの投入という起用法に変えたのだけれど。

ちなみに、ダニーロ先発に拘っていたときの鹿島は、そんなに勝てていなかった。
ところが、スタメンから外すようになってから、勝てるようになっていったんだよね、アントラーズ。

で、そのダニーロは、今やアントラーズとの切り札として貴重な存在になっている。
スタメン落ちの屈辱を味わいながらも、臥薪嘗胆、腐らずにトレーニングを続けて、今や鹿島になくてはならない存在になっている。
そのへんことは、朝日新聞や、スポーツニッポン新聞や、讀賣新聞の記事に詳しく載っているので、ご覧頂きたい。


ダニーロという例もあります。
ここは鈴木監督に一大決心をしてもらい、アレッサンドロではなく、河原と矢野の2トップでスタメンを組んで欲しい。
はっきり言って、吾輩が相手チームのサポならば、アレに脅威は微塵も感じない。
河原ならば、怖さを感じる。
きっと、ピッチに立つ選手も、似たような印象を抱いているのではなかろうか。

アレッサンドロには、スーパーサブ、と言っても現状では「スーパーサブ」とは呼称できないけども、いずれにせよ、ベンチスタートとするべき。

ベンチに河原を温存していないことによるリスクよりも、端から河原を起用するほうが、ずっとマシ。

だって、〝前半の〟アルビは、てんで話にならないもの。
もうキックオフ直後からアクセル全開で行かないと、勝利の女神の前髪を掴むことは難しい。
河原を起用して、主導権を手に入れる!

河原もね、90分間闘えるでしょ。
郁哉だってフルタイム動けてるんだから、河原に出来ないことはない!

もうね、鈴木監督に“オレを、最初から使ってください”て直訴するくらいの気構えが欲しい。


そしてアレッサンドロには、同郷のダニーロを見習って欲しい。
彼のように、スタメンから外れても腐らずに練習して、いずれ、アルビサポ全員の支持を受ける選手に成長してもらいたい。

って、もう、アレをベンチ要員という前提の上での書き方だね。

鈴木監督と言えば『頑固一徹』が代名詞の一つ。
まあ、その頑固さゆえに、矢野貴章がブレイクした面もあるのだけど、殊アレッサンドロに関しては、『柔軟さ』を発揮すべきだと吾輩は考えます。