AFCアジアカップ2007のクォーターファイナルに、日本代表が進出し、その対戦相手が豪州代表に決まってからというもの、職場の人間が、やたらと
“ね、オージーには勝てんの?”
“正直な話、オーストラリアに勝てる要素はある?”
“オーストラリアじゃなくて、タイとかイラクとかが相手だったら、ベスト4間違いなしだったよね?”
等々、愚痴やら不安やらの声を吾輩に投げかけてきました。
知っている日本のサッカー選手と言えば、釜本と杉山と小野伸二と中田英寿とくらいのおじさんまで、尋ねてくる始末。
もう、吾輩に聞いてくる人・聞いてくる人、日本が豪州に負けるもんだという前提の上で、それでも勝つ確率がどの程度あるのか、吾輩に意見を求めてきました。
FIFAワールドカップ予選と本大会のゲーム前にも、吾輩は、よく戦力分析などを尋ねられたけど、決定的な違いは、質問者が〝日本はここで敗退だろう〟と負け覚悟でいた点ですね。
去年のW杯ドイツ大会のときなど、
“オーストラリアに楽勝だ”“クロアチアは怖くない”など、楽観論のオンパレード。
その度に、日本代表はグループリーグ敗退の可能性が濃いから、過剰な期待はするべきじゃないと警告を発したものです。
開催中のアジア杯も、グループリーグでは、不安の声はあまり聞かれず、カタールに引き分けた翌日でさえ、ベスト8は確実といった雰囲気だったですがね。
(でも、戦い方には不満の声が上がっていました)
それが、豪州と戦うと分かったら、悲観論者があちこちに発生。
逆に言えば、それだけ、あのカイザースラウテルンでの敗北が、普段サッカーを見ないような人たちの心に、トラウマを焼きつけたってことでしょうな。
オシムさんが代表監督に就任して以降、代表チームの人気が下降線を辿っているのは、皆さん周知の事実。
スタジアムには空席が目立ち、テレビ中継の視聴率も振るわず。
産経新聞など、わざわざアジアカップ開幕日の朝刊1面に、『サッカー日本代表 人気にイエローカード』という見出しで、代表人気喪失の分析記事を掲載していたほど。
産経新聞に限らず、各種メディアでも代表人気を憂う分析がなされていますが、その原因のひとつが、無様に逆転負けを喫したW杯・オーストラリア戦のせいだとも言われていますよね。
代表戦しか関心のない人たちには、あれが相当なショックを与え、その関心を奪ってしまったという説ですな。
果たして、昨日の豪州代表戦の勝利で(公式記録上はドローだけど)、2006年6月12日のトラウマが払拭できたんでしょうかね?
高原のエルゴラッソに、川口のスーパーセーブが飛び出してのベスト4進出ですから、あの悪夢はどこかに飛んでいってしまったと思いたいですが。
先制され、1人少ない相手に勝ちきれなかったけど、終始、日本ペースでゲームを進めた内容を鑑みても、トラウマがある程度、解消されたと思うんですが。
吾輩は、普段はJリーグの動向に興味を持たず、バカ騒ぎする〝口実〟に代表チームを応援するような輩は大嫌いで、
“お前らはスタジアムに来るな”
“試合後に渋谷のスクランブル交差点で、アホな騒ぎをするな”
と内心忸怩たる想いを抱いていたんですが、いざ、スタジアムに人が集まらなくなると、複雑な気分になりますなあ
昨日の勝利で、サッカー日本代表チームへの興味が盛り返してくれると幸いなんですけどね。
そして、高原や俊輔、川口のみならず、憲剛や啓太や駒野や阿部などにも興味を持ってくれる人が続出すると嬉しいなあ
そんでもって、Jリーグの試合も見ようという人が増えると、なお最高だね
そうそう、豪州に勝てるかどうか、職場の人たちに尋ねられた際、吾輩はこう答えていました――
去年6月、オーストラリアが日本に逆転勝ちしたのは、フース・ヒディンクの采配があった故。
今、豪州を率いるのは、なり手がいなくて消去法で就任〝させられた〟アーノルド監督。
そのアーノルドはアジア杯後、更迭が規定路線であり、この一点だけ取っても、日本が有利。
それにビドゥカを徹底的にマークし、潰せば、オーストラリアには点を取られる心配はない。
100%勝てるとは保証できないけど、日本の勝算はかなり高いですから、そう悲観的にならないでくださいってね。
でも、ヒディンクが今尚、豪州の監督だったら、どういう結果になったんでしょうか?