あれだけ耳をつんざくように響いていた蝉の声も、
遠く向こうに聳え立っていた入道雲も、
茹だるような暑さと湿気も、

遠く、高くなってしまった空とともに夏は記憶の中へと仕舞われて行き夏の痕跡は秋雨が全て持って行ってしまった。

秋の訪れである。
暦の上ではとうの昔に秋は来ていたのたが。

どうにも苦手な季節。
いくつか理由があるが、ここでは書くほどのことでもないので割愛する。

とは言え一ついいこともある。

カウンターに立って一年が過ぎた。
バーテンダー1周年。

まだまだ、先は長い。
昨日までの自分を超えて行くために。
歩みを止めることなく、進んでいく。

Keep walking strong.