小さな池のほとりに
ひっそりと咲く花…

淡く…
鮮やかな…
青や紫色の衣装に身を包み…
池のほとりにたたずんでいた…

池の水面には…
優しく微笑みかける
君が映っていた…

流れゆく時に身を任せ…
君を見つめていた…

一陣の風が吹き
水面に映る君の姿が揺れた…

次々と水面に広がる波紋に…
君の姿がかき消されていく…

君の姿を求め顔を上げると
空の涙に濡れる君がいた…

儚げな面持ちでたたずみ…
涙に濡れていた…

小さな花達が
寄り添うように肩を寄せあい
祈るように…
空の涙を見上げていた…

いつしか…

涙はやみ…

優しい光が…

空に溢れはじめる…


そして…

水面には…

空に輝く虹の架け橋と…
涙で光る君が映っていた…
澄みわたる青い空と…
黄色い花に敷き詰められた
絨毯の間を…
二つ折りの白い花たちが
楽しげに舞う…

春の訪れとともに…
軽やかなステップで
舞い踊る花たち…

暖かな春の陽射しに包まれて…

小川のせせらぎ…

小鳥のさえずり…が…

唄となり

春の優しい風にのせて
花たちは舞い踊る…

舞台を青い空へと移しながら…
いつしか空の彼方へ消えてゆく…

そっと…

心の中で…

拍手で見送る僕がいた…

見上げる空は…

どこまでも高く…

青く澄みわたり…

優しい春の風が
僕の心の中を駆け抜けていく…

ただ…ひとり…

黄色い花に囲まれて…
遠くから…
かすかに聞こえてくる遠雷の音…

迫りくる嵐の予感…
穏やかな時が終わりを告げる…

ひとしずく…

空からはこぼれ落ちた涙が
開演の合図…

静かに…
軽やかなステップを刻みながら
音を奏で始める

屋根を…

窓を…

そして…

僕の心を…

時には優しく…

時には激しく…

打ち叩く…


雨音は徐々に…

様々なメロディーを重ねながら
僕のまわりを駆け抜けていく…
風と雷を引き連れ…
新たなシンフォニーを奏で続ける…

そう…
いつか…
訪れる終演の時まで…



どれくらいの時が過ぎ去ったのだろうか…

徐々に小さくなるメロディー…

訪れる終演の時…

見上げる空には…

拍手にかわり祝福の…
光に溢れた七色の橋がかかる…

遥か遠くの彼方に…

遠雷の響きを残して…