個人投資家の間ではあまり知られていないと思われる人物に
ビル・グロース氏がおられる。
金融界では有名な方で、「債券王」と呼ばれ、米国債などの債券投資で
名を馳せた方である。
このビル氏がTVのインタビューで面白いことを言っていた。曰く
「米国債は買わない。これから大量に発行されるだろうから」
何が面白いかと言うと、普通不況の時には「質への逃避」と呼ばれ、
債権投資が活発になり、債券価格が上がって利回りが低くなる現象が
起こる。
ところが、この現象はここ最近の波乱相場でまったく見られない。
むしろ債券価格が下がって利回りが上がっているのである。
「質への逃避」=現金化 が正解のようだ。
こうなると、PER、ROEなどの企業収益と株価の関係を表す指標は
使えない。そもそもこれらの指標は債券利回りをベースとして判断する
ものであり、単体で論じても意味はなく、特に今回のような相場展開で
は存在意義が失われてベースにならない。
株式投資の基準として使えるのはPBRぐらいで、どうしてもPERを
使いたければ銘柄全体の平均を1とした場合のその割合、すなわち相対
PERを用いるべきだろう。
もっと保守的な指標を使いたければ、
{(現預金ー有利子負債)÷発行済み株式数} > 株価
※ただし、(現預金ー有利子負債)>0
がいいだろう。
もうちょっとゆるい指標がよければ、
{(流動資産ー流動負債)÷発行済み株式数} > 株価
※ただし、(流動資産ー流動負債)>0
なんてのもいいかもしれない。