よく分散投資は「無知のポートフォリオ」と蔑まれ、集中
投資を薦める議論がある。

 皆さんご存知の通り、よく知っているものに集中投資すれば
より多く儲かる確率が高まるという議論である。


一見もっともらしく見えるこの議論、重大な欠点があるようで
ならない。


 かのソクラテスが語った言葉に「無知の知」という言葉が
ある。要約すると


「人間誰しも知っているようで本当は何も知らない。そこから
物事を考えることを始めなければ本当の答えには行き着かない」


確かそんなような意味だったと思う。


 自分は良く知っているつもりで集中投資をしてもいまだ自分
の知らない何かによって損失をこうむってしまう。
こんな危うさが集中投資にはあるのではないでしょうか。

特に株価の動きは真偽はともかく、約1000のパラメータに
よって動くといわれています。


 これを考えるととても集中投資は無敵の投資法とは思えない。
だったら自分は無知だと開き直って分散投資を心がけたほうが
良いのではないか。むしろ生き残ることを考えたら分散投資の
ほうに軍配は上がるであろう。


自然界の生物を見ると何も人間のように脳を発達させた生物だけが
生き残っているわけではない。むしろ脳を発達させることをコスト
とみなして進化したとしか思えないような生物さえいる。


むしろこういった単純な構造の生物のほうが絶滅のリスクは低いの
かもしれない。単純なりにちゃんと生き残りの戦術はあるのだ。


私達も彼らを見習って無知は無知なりの戦い方をしてもいいのでは
ないだろうか。