あの大前研一先生のメルマガで気になる記事が

ありましたので長いですが紹介します。


メルマガ始め


●在庫の大量輸出が、世界市場の価格下落を招く

今、中国で何が起こっているのか。ひとことで言えば
「供給の過剰」です。

中国商務部の発表によると、中国の主要消費品目600種のうち、
供給過剰と判断された品目の割合は、じつに73.2%。全体の
4分の3にあたる439品目が供給過剰状態にあるということ
でした。

2005年の時点における個々の品目ごとにみると、まず鉄鋼
ですが、中国全体でおよそ3億トン程の生産実績があるものの、
その40%にあたる1億2000万トン分が過剰となっています。

既に04年9月から、中国は鉄鋼の純輸出国に転換しています。
日本もかつて辿った道なのですが、このような国内の過剰在庫
を海外でさばこうとすると、世界市場における価格の下落を
招きます。

世界規模で価格競争が激化し、それがそのまま日本をはじめと
した各国の企業収益を圧迫。世界経済全体に陰りが生じてくる
のです。

供給過剰がもたらすものは海外輸出の増加だけにとどまり
ません。鉄鋼と同じく生産過剰に陥っているセメント業界では、
04年だけで5700社のうち1900社が淘汰されました。

過剰状態による価格の下落が、企業収益の悪化を招き、体力の
ない地場企業が相次いで大量倒産する。その倒産が不良債権を
増加させる、といった負のスパイラルが生じています。

今後、設備の統廃合や業界再編などの動きも加速すると思われ
ますが、中国は痛みをダイレクトに感じない国営企業が多い
ゆえ、その動きは鈍いものとなるでしょう。

他にも電解アルミや合金鉄、カーバイド、ポリエステル繊維
なども一様に生産能力が過剰となり、全体の一部、ともすると
生産能力の半分が休止状態です。

コークスに至っては1億トンの能力が過剰状態にもかかわらず、
さらに3000万トン分の生産設備が建設中とのことです。なぜ
供給過剰状況に歯止めがかからないのか。その理由の一端は、
やはり中国経済の歴史が関与しています。


●「川上」は値上げ、「川下」は値下げ。歪みは巡り巡って日本経済へ

ご存知のとおり、中国はこれまで計画経済を推し進めて
きました。中国は国家が陣頭指揮を取って指導するモデルを
長らく続けていましたが、今度はそこに市場競争原理が介在
するようになり、隆盛期を迎えるに至りました。

隆盛期を迎えた当初は利潤が生まれていたものの、ここにきて
「計画」という名のタガが外れた弊害が現れてきています。
無計画に、しかも各地方、各都市、各企業がめいめいに
増産投資を行い、歯止めが利かなくなっている状況です。

実際、中国製造業の純固定資産伸び率は上昇を続け、2005年
10月時点で前年同月比18%増となりました。この間、建物や
設備に使われる資材が不足。そのため鉱産物や原材料の価格が
上昇することになった。

このような「川上」産業の価格上昇に反して、価格を下げざる
を得ないのが完成品、消費財などの「川下」産業です。

たとえば自動車ですと、2005年販売台数は約570万台と前年比の
13.5%増となったが、自動車業界の利益総額は前年比24.3%減
(526億元)となった。

電化製品もまたしかり。主要地場企業が大幅な増産を計画して
いながらも国内販売が伸び悩み、海外販売強化に転じる風潮が
強まってきています。発展を続けてきた中国家電大手のTCL集団
なども、急激に伸びが鈍ってきている状況です。

「川上」の鉱産物がもっとも価格上昇率が高く、順に原材料、
加工工業となって、マイナスを記録してしまっているのが
消費財。

なぜこのような状況が生まれたのか。供給過剰なら、止めれば
いいだけのことと思うかもしれませんが、やはり計画経済に
慣れてしまったがゆえに全体を見通すことのできる人が極めて
少ない状況です。

消費財が売れなくても、そのことがフィードバックされない。
「川上」はまだ足りないと思っていて、世界中から予約まで
して購入しているといった歪みが是正されないままできて
います。

成長が止まることを必要以上に怖がる中国政府ゆえに過剰解消
の動きも鈍く、この臆病さが成長鈍化につながってしまう
可能性も否めません。

これらの状況により、中国特需で潤っていた日本の鉄鋼業や
造船業、ひいては日本経済全体も、少なからずあおりを受ける
ことになりそうです。
今の時期、中国経済の実状をしっかり把握することが、今後の
企業や国家全体の舵取りに欠かせない要因となるでしょう。


メルマガ終わり


うーん。私の著書でも西暦の末尾が”7”の年は下げ相場と書きましたが

どうやら実現してもおかしくなさそうですね。


さて、株式市場から撤退の準備をしようかな。