754 魔法使いルーフィ | たまふの書物語まりふ

754 魔法使いルーフィ

シャワー室の扉を閉じ
内側から鍵を掛ける。

脱衣場にも鍵はあるが
なんとなく、そうしないと落ち着かないのは
人間的な防御行動である。


と、人間ではないフランスの女神はシミュレーションでそうしているので
「ヘンね」と、微笑む。


シャワー・カードを脱衣場で機械に入れて、スイッチを押すと
シャワー室の扉が閉じていれば、圧搾空気で洗浄されるシャワー室。

日本的な心遣いでスノコが敷かれているけれど
なんとなく、濡れていると気持悪い(笑)のも事実。



それで、誰も使わないのかと
大きな鏡を見ると、女神なので白い裸体に乳房が写る。


でも、特に生物ではない神様たちは、その形を見て
性欲を扇情する訳でもない。



人間は、結局生物なので
生き延びるようにできている。


だから、生き物を育む女性型の体形は
原始的に、人を誘引するようなプログラムができている。

形態認識である。

赤ん坊の形と類似であったりもするのは

プログラムの近似性である。



それなので、基本的に異性への接近が上手く行っている個体、
生まれついて、男の子なら母親との関係が
良い子は、精神的に安定性が強いし


特に、他の個体を意味無く攻撃もしないし、自己顕示も弱い。


もともと心が幸せだった記憶が、無意識にあるからである。



そうでない時に、異常な自己顕示を見せたりするのは

例えばアドルフ・ヒトラーの父が、ユダヤの家系に
生まれたので

それを、気に病んでしまって精神病質になるとか。



そういう悪い例もある。



良い例では、ビートルズのジョン・レノンが

母親との関係が上手くなく、その精神的な寂寥感から
音楽表現に情熱を注いだ、なんて例もある。


でも、結局逃避的なので神秘主義に向かってしまい
失敗するのだけれども。


それは、絶対基準を持たなかった男の悲哀でもある。