704 魔法使いルーフィ | たまふの書物語まりふ

704 魔法使いルーフィ

「魂を磨くって、抽象的でわかりにくいけど
幸せなのかしら」と、フランスの女神が言う。


サンライズエクスプレスは、横浜を出て

スピードを上げた。


郊外になって、それでも灯りが多く
流れる銀河のように見える中を


列車は進む。




出雲の神様は、いやいや、と手の平を振り

「魂とか言うと、なんかオカルトっぽいけどの。自分に与えられた試練を乗り越える事で
強くなれる、正しい道に進んでいると思えば
それは、武道のように清々しいだろう?」





「なるほど、攻撃してくる連中が際限なく不満げなのは、確かに不幸だけれど
それは、幸せだな。騎士道にもそれは通じる」と、ドイツの神様は言う。


「うん、それはわかるよ。人と人との争いと考えて闘争すれば、それは不幸だけど。
それは、俺が高み、ハイになるためのステップだと思えば」と、アメリカの神様。



「それで、クリアーな、透明な気持ちで
毎日を生きて、やがて一生を終える。
その後に転生して、極楽だったり天国だったり、浄土だったり。いろんなところへ昇れると
信仰によっていろいろじゃの」と、めぐの国の神様。





「まあ、そこまで行かなくても、現世で幸せなら、人気が集まる。名声を得る。
異性にもモテるしな」と、出雲の神様は笑った。




対して、争いたがる人々は人気が得られないし
感情的だから人が逃げていく。

孤独感に苛まされる。



仕方ない事だが。と、出雲の神様は言う。