702 魔法使いルーフィ | たまふの書物語まりふ

702 魔法使いルーフィ

僅か1分程の停車時間に
さっ、と乗車が済むのも
日本人ならではである。

(笑通勤電車とはだいぶ違うが。)


そうして、短い停車時間が終わり
サンライズエクスプレスに乗る人達は、狭い通路を譲り合って整然と乗車する。


さすがに、特急に乗るくらいの人達は
それなりに分別があるようだ。





と、思うと


鮑のクリーム煮や、焼売の包みをぶら下げて

よたよた歩くご老人、ひとり。



旅人らしくない軽装の、その人は



ロビーコーナーに向けて、草履でゆっくり歩いて来た。




「やあ」と



無造作に。




その人は、ふーてんの寅さんかと思ったが(笑)


出雲の神様だった(笑)。



あまりに威厳がないが(笑)そんなものである。




本物と言うのは、気配を隠すもので



どうしてそうか、と言うと


威厳なんて有っても、何の役にも立たないから(笑)。




もともと、統治者でもないので


自由が神様らしいのである。