694 魔法使いルーフィ | たまふの書物語まりふ

694 魔法使いルーフィ

地上の魔法少女めぐは、もともと
人間だったから
その愛は、もちろん
人間的な愛である。

家庭を持って、愛を営むと言う
人間の長い歴史の中で受け継がれた
生命体のもつ行動様式である。


恋は、もともと
自由に、パートナーを得て楽しむと言う
沢山遺伝子を遺していくような、生物の性質。



比喩的に言えば、宇宙空間を永遠に飛び回る
光子のような存在である。

恋心に質量はない。




それが、ヒッグス粒子に囚われた途端
宇宙空間に質量が発生し

元素になって。その途端
光子は、電子となって自由を失う。


愛を得た恋心が、自由の代わり安定を得て

家族を持つような。



神様や、魔法使いルーフィのような
非生命体は、もともと光のように
自由な存在であるから


めぐのような、人間的な愛とは
そもそも、次元が違う。


その断裂が、めぐの心を悩ませたのも
つい先日のこと。



遠い遠い宇宙の起こりから、似たような
悩みを人間は持っていたのだろう。



ひょっとして、ルーフィのご主人も?


それで眠ったのかもしれない。




そのせいで、ルーフィがめぐに出逢ったとしたら
ちょっと、悲しい偶然である。