637 魔法使いルーフィ | たまふの書物語まりふ

637 魔法使いルーフィ

「そのとおり」背後で低い声がして
振り向いた神様ふたり。


ごつい顎、髭づらに変装している
ドイツの神様だった(笑)



「ルールは守るべきだ」と
青い瞳には、静かな情熱が見えて取れる。



なんで、ジャパニーズはあんなのを容認するんだ、と少々不条理さに怒るように。





「おいおい、ほんとに神様かい」と
アメリカンの神様は笑う。でも
目は頷いている。






それがジャパニーズ、和の国なんだろう。

なんでも、譲りあって生きてきたから
争うよりは、困難を避けて生きてきた。


その方が、日常を楽に生きられるから。
狭い国で、短い人生を楽しく生きて行こうと
思う、その感覚は
どちらかと言うと、農耕生活に似合う行動である。


だから、たかがエスカレーターくらいで争うより
エスカレーター下りてからの
時間を楽しむために、争いは避けようと
片側に寄っている(笑)。



それは、ある種達観であるかもしれない。


しかし、そのせいで
厚かましい連中がジャパニーズの豊かさを
奪いに来ていて。



それに飽き足らず、めぐたちの国の

国鉄や郵便局を買い取って、利益を盗もうとしている。


もともとはそれが、ここに来る目的だったのだが、と
神様は思う。




「ジャパニーズの郵便局と、国鉄は
どうなっているのだろう」と

唐突に、神様は思った。