558 魔法使いルーフィ | たまふの書物語まりふ

558 魔法使いルーフィ

列車料理長も、なかなか
お酒好きなので

お酒を好む人の気持ちがわかる。

単純に、快い事を得られる行動が

習慣になっていると言う、それだけの事で


たまたま、アルコール代謝する時に

できる化学物質が
脳へ刺激を与えるので


それで、刺激を逃れる為に

生理的に、人体が内分泌して

体が酔う、それだけの事だから


野性動物でも、自然酵母でアルコール発酵した
果実を好む動物、例えばアフリカの麒麟とか



そういう例もある。




栄養にならなくても、文化として
食べる物を楽しむ、そんな習慣は

野性動物にもあったりするから

人間のおじいさんが、お酒を好むのも別に

罪な事ではない。



都市として、簡単に酒が手に入るから


習慣になってしまうのだけれども。




人間の文化とは、そんな風に
融通のきくものである。






「わたしが、行こう」料理長は



カラフルなお酒のボトルを抱えて


その、おじいさんの居るロビーに行った。




「さあ、一杯いかがかな?」

料理長は、ウィスキーのキャップを開けて



小さなガラスコップに、注いだ。

琥珀色の液体は、単なるアルコールではなく


いろいろな風味を含んだ、芳しい存在。



奨められたおじいさんも、楽しげに、愛しげに


その液体を嗜む。




お酒があると、不思議に
仲良くなれるのも

酒好きの人たちの面白い風習である。