ちいさな木の葉 2 | たまふの書物語まりふ

ちいさな木の葉 2

木の葉は、高く舞い上がりながら
遠い、いままで見上げていた
おひさまが、とても近くにある事に気づきます。

「はじめまして」

木の葉は、あおむけになって
薫る風にのって、ごあいさつ。



「やあ、ごきげんよう」
おひさまは、よく通る低い声で
木の葉にごあいさつ。

「よい旅を」


にっこりと微笑みながらのおひさまの言葉を背中で聴いて

「はい、ありがとうございます」

木の葉は、ひらひらと舞いながら
白い雲を飛び越えます。

わたがしみたい、と思っていた
白い雲さんは、ほんとうにふわふわ。

でも、おさとうの味はしませんでした。

そのことに、ちょっとがっかりした木の葉でしたが、でも
すがすがしく、ひんやりとした風が頬をなでていくので
さわやかな気持ちになります。

どこまでとんでいくのでしょう。

そう、思いながら。

ふわふわと、雲にのって
木の葉は風の旅を続けます...


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