こんにちは。

前記事の続き・・・


覆面官僚座談会に出席したのは、


・経済産業省のベテランA氏

・同じく経産省の若手D氏

・総務相ベテランC氏

・財務省中堅B氏

・内閣府の若手E氏



― 次の政権にどんな期待をしていますか?


総務C 「 民主党政権がいつまで続くかによる。 」


経産A 「 Cさんは国会対応が長いから官の支持率が低くても、自民が政権を奪還できるとはみていない。違うかい? 」


総務C 「 自民党は統一地方選で地方組織を温存できたが、それを動かす選挙資金が枯渇している。議員もカネで後援会を維持する与党体質が抜けきっていない。カネがなければどうしようもない 」


内閣府E 「 支持率逆転でもカネを持ってる民主が強いですか? 」


総務C 「 『支持率ではメシは食えない』は自民の長老議員の言葉だよ 」


財務B 「 カネも利権も野党ではどうにもならない。次の予算編成で民主党は2度目の予算を作ることになる 」


― 小沢の元秘書の公判で東京地検は調書の大半を証拠採用しなかった。霞ヶ関に『小沢は死なず』と激震が走ったが?


財務B 「 知り合いの検事は 『小沢公判で有罪の可能性は極めて低くなった』 と言っていた。大臣、官房では代表選に影響が出るのか分析を始めている 」


経産D 「 小沢復権に戦々恐々ってとこですか? 」


財務B 「 ・・・・・二ヤリ。(答えずにナゼか余裕の表情) 」


経産A 「 D君、それは違うんだな。 むしろ困るのは我が省かもしれない。 我が省には小沢にパイプを持つ幹部がほとんど残っていない 」


総務C 「 財務省には今も昔も 『小沢担当』がいる。 その筆頭が『次の次の次官』といわれる 香川俊介・官房長(小沢の元秘書官) 

総務省にもかつてはいたが香川さんほどの人は今はいない 」


内閣府E 「小沢に近づくことはリスクが大きい。小沢シンパとレッテルを貼られると省内で干される恐ろしさがある。 」


経産A 「 特定の有力政治家との人脈は人事に直結する。 その政治家が与党でチカラをつけると(官僚は)出世できるが反対派が天下をとれば(その官僚は)終わり。 その点、財務省は政治家との人脈造りも組織の分担作業だから小沢が党員資格停止になっても変わらない。 ただし、省内の派閥を作らないというのがルールだ。

で、財務省さんは本音のところ小沢さんをどう見ている? 」


財務B 「 個人的な意見を言えば、政権運営には与党内の声をまとめるチカラのある政治家が欠かせない。

現在の民主党にはそれがいない。 消費税10%引き上げにしても仙谷さんではムリだった。小沢さんが首を縦に振らなかったんだ。 

ガソリン暫定税率廃止問題で党内がもめた時でも小沢さんが『廃止はしない』という一言で収まった 」


総務C 「 あの時も(財務省の)香川さんが小沢さんを口説いたらしいね 」


財務B 「 マニフェストを実行するには既存の政策を どれか切らなくてはならない。 小沢さんは恨みを買ってでも農水省の土地改良予算をカットした。 スクラップ&ビルド※注 は予算編成をスムーズにする。 ベストとは言わないが小沢派が官邸を握るのは(我々としても)悪いことではない 」


― 代表選で小沢候補が勝てば、財務省が悲願としている消費税UPは難しくなる?


経産A 「 当然。だいたい財務省は復興増税で所得税や法人税を上げた。今度は野田大臣や細川厚労相までもがB型肝炎訴訟の和解金財源のための増税論を持ち出してきた。増税の口実と言われても仕方ないわな 」


内閣府E 「 和解金は今後20年間で大きくみても総額3.2兆円。

年間2000億程度なら増税はいらんでしょ?」


財務B 「 各省が予算削減に協力してくれればだけどなー (ペッ!」


経産D 「 与謝野・経済相は『消費税に逆進性はない』と言うし、玄場・国戦相も『消費税なら被災者への配慮は可能』と言っていた。 財務省はいったいどんな洗脳方法で、大臣達にあんなデタラメを信じこませたのかゼヒ伺いたいですなー」


― それを言うならメディアも また、かなりの与野党議員が財政再建のため増税が不可欠だという。

しかし過去に、橋本政権はデフレ下で消費税を上げたため経済が一層悪化して所得税と法人税の税収が減少。トータルで税収が6,5兆円減った。増税すれば税収は減り財政危機が深まるというのが財政学の基本だ。


財務B 「 橋本内閣の税収減はアジア通貨危機という別の事情があった 」


総務C 「 そんな説明をここですんの?! 僕らを新聞記者と一緒にしないでよ。(だませるとでも?の意味)

 橋本増税で税収が減ったと非難された時、財務省は省内で対策会議を開いた。そこで出た結論が『 アジア通貨危機のせいにしておこう 』というもの。

会議に参加していたBさんの先輩に

「証拠を出してくれ」と言ったら「本当は通貨危機の影響は関係ないんだ」と舌をだした。 いまどきそんな方便を信じるのは与謝野さんくらいですよ。」


財務B 「 消費税は所得税や法人税といった直接税に比べて景気変動による税収のブレが小さい。

成長が見込めない社会で、安定財源としての重要度が増している。これは我が省だけの意見ではない。」


経産A 「 (Bさんとはいわないが)財務省では『増税は手柄』という”社風”があることは事実だ 」


総務C 「 ”税収”が上がっても財務官僚の評価にはならない。 ”景気がよくなったんでしょ”で終わり。

しかし”税率”を上げればわかりやすい業績になる。そうでしょ?」


財務B 「 答えません。  でもここで消費税率の引き上げが実現できれば 勝 栄二郎・次官の将来は安泰でしょう。 同時に、真砂 靖・主計局長と古谷一之・主税局長の同期コンビも高い評価を得る。 それは認めます」


※注

スクラップ・アンド・ビルド

もともとは 「老朽化した建物・設備を一度廃棄や取り壊して、その後最新鋭の技術などを生かした新しい設備などに建替えさせる時に使う言葉」だが、霞ヶ関でスクラップ・アンド・ビルドといえば

「日本の行政組織は、予算や組織(ポスト)の新設を行う場合、肥大化を防ぐために多くの場合は既存の予算や組織を廃止する。」 という意味になるらしい。