鶯谷駅に降りたのは久しぶりだった。というより、今までに1度しか降りたことがない。南口を出て、レトロであやしさ満点な街の空気を感じながら、てくてく歩く。目指すは、大正14年創業の洋食屋。
じぐざぐと少し迷いながらも、「香味屋(かみや)」の文字が見えると、ほっと一息。しかしこのあたりでは異色を放っている存在かもしれない。
この看板だけ見るとカジュアルな雰囲気にも取れるが、ガラス張りの入り口は少し緊張しているようだ。入ると意外にも、フレンチレストランのような空間が広がる。
テーブル席につき、メニューを見ると「メンチカツ」「タンシチュー」「ハンバーグステーク」・・・と洋食が並び、定食(コース)や弁当、スパゲティ、サンドウィッチがある。いずれもやや高めの値段設定で、高級洋食というところか。
悩んだ挙句、「ハヤシライス」に決定。普段食べている関内の「梅香亭」をふと思い出したからだ。とはいえ、梅香亭とは価格が違いすぎるので、純粋に比較するのは難しい。
ライスがややこんもりと、上品に盛られている。さて、ソースをかけますか。
いいツヤが出ています。ハヤシライスといえば薄切りの牛肉、という概念を思いっきり覆すような大ぶりの肉。塊で入っていてまるでカレーの具のよう。これにはびっくり。
つけあわせのらっきょう、福神漬け、キュウリのピクルスも美味しく、満足のいく素晴らしいハヤシライスだった。
鶏好きとしては、チキンカツレツも気になるし、チキンの唐揚げなんてどんな唐揚げが出てくるんだ・・・なんて思ってしまう。その他コロッケ、スパゲッティ、グラタンも食べてみたいなぁ。
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