一見さんお断りというと、なかなか行く機会もない。
新橋演舞場近くには老舗料亭がずらり。このあたりをふらふらと

歩きながらこういうところにいつか入れるのかなぁ?と思っていた。

金田中は気軽に和食を楽しめる姉妹店を幾つか持っている。
何度か足を運んだこともあったが、やはり新橋演舞場前に行きたい・・・
そう思っていたら、お昼に門戸が開かれていることを知った。
夜は紹介がないと入れないし、さらに幾らかかるかわからない。
ならば、お昼を体験しておこう。というわけでいざ。

現代数奇屋の門をくぐると、急に静寂な空気に包まれる。
奥から仲居さんが現れて座敷へと案内された。
全9室あるようだ。

お茶を飲みながら食事を待っていると、部屋の綺麗さに気が付いた。
こんな広めの個室で頂くなんて贅沢だなぁ。
主皿会席を。

前肴

粽鮨  鯛昆布〆 木の芽 酢茗荷
猪口  鯛白子和え 蕨 こごみ
    鯛塩辛 叩き芋 順菜吸酢 浜防風





鮎魚女葛打ち 椎茸 短冊独活 揃え三葉 口木の芽





造り

鰹焼霜 烏賊 大葉 青白葱 細生姜 赤芽 紫
鱧切落し 山葵の葉 花穂 山葵 切子つぼつぼ 梅醤油



主皿

大目鮭木の芽焼 蚕豆塩茹で はじかみ
若鮎つの字揚 たらの芽 当て塩 すだち
フォアグラ玉地蒸し 割ぽん酢



煮物

和牛 馬鈴薯焚き合せ 絹鞘 木の芽





釜炊き 浅蜊ご飯 浅葱 海苔 山葵 旨出汁
香キャ別紫蘇漬け 青志波 沢庵



水菓子

マンゴ ネーブル

甘味

わらび餅 きな粉 黒蜜



お椀は思わず美しさに蓋まで写真を撮ってしまった。
どうやら東海道五十三次の宿場が描かれているらしい。
私は「藤枝」だったのだが、なんと翌日藤枝への出張が決まっていた。
なんたる偶然!知っていて出されたかのようだ。

帰り際、三味線の音色がどこからとなく聞こえてきた。
お稽古してるんですよ、と仲居さん。
意外に親しみやすい方で、玄関までいろいろとお話を聞かせて頂いた。
この音色を夜に聞ける日は来るのかな・・・?

http://www.kanetanaka.co.jp/sinbasi/index.html