超常現象の科学 なぜ人は幽霊が見えるのか/文藝春秋
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サブタイトルが -なぜ人は幽霊が見えるのか- となっているが、
取り上げられている内容は幽霊の話だけではなく
占い、幽体離脱、念力、霊媒師、幽霊、マインドコントロール、予知能力
についてである。

著者は元々マジシャンであるということだが、心理学の教授でもある。

本書を読んでみて・・
超常現象について研究をしている学者が結構いる事に驚かされた。
(といっても基本的には超常現象を信じて・・・ではありませんが・・)

それはともかく・・

大雑把に言ってしまうと、

暗示にかかりやすい人、
想像力の強い人、

が幽霊を見たり、幽体離脱を体験し易いようですね。

全く幽霊の噂の無い土地に幽霊話を作り上げ、BBCで放送した所
そのでっち上げの話に準じた幽霊を見たという人が現れた事例なども紹介されていました。

又、「幽霊とは無縁の家で起きたできごとの記録」(ジェームズ・フーラン・心理学者)という
タイトルの論文の紹介も・・・

それから、人間は何かと関連付けて物を考えやすい傾向があるようで、
ただの物音でも、何か意味のある事のように考えてしまったり・・

又、その無意味な物にも人間的な行動を見ようとしてしまう傾向があるようです。

例えば、只の "□ △ ○” といったような図形が動いている動画があったとしても
□が △に恋をして○が・・・といったように・・・

他にも興味深かったのは

コックリさんで手が自然に動いてしまう原理と
バンカーに玉を入れたくないと思うとバンカーに玉が入ってしまう原理が
同じだということ・・・(笑)


「スピリチュアリズムは、最もたちの悪いいかさまです」
     ・・・・スピリチュアリズムの創始者フォックス姉妹   (131ページ)

このフォックス姉妹が、
子供の頃、物音を立てて、まるで何かがいるかのようにいたずらをしたのが
このスピリチュアリズムのきっかけになったようです。

“心理学から言うと、スピリチュアリズムの設立はまさに天才的なアイディアだった。既存の教会は信仰の重要性を訴えて、合理主義の新勢力と戦ったが、スピリチュアリズムは宗教のあり方そのものを変えた。科学やテクノロジーにとり憑かれた時代に、スピリチュアリズムは人がその死後も生き続ける証拠をもたらしたばかりか、愛する故人との交信を可能にしたのだ。ほかの宗教は、死後の命をほとんど約束していない。かたやスピリチュアリズムは、可能性をたっぷりあたえた。それが理性と感情の両方に訴える力は絶大であり、二、三か月のあいだにこの信仰宗教はアメリカ全土を席巻した。” (138ページより引用)

スピリチュアリズムという物については全く知らないのですが、
上記のような文章を読むと、似たような物は現代にも沢山あるな・・と感じます。
だまされないように気をつけないと・・


本書の中には
幽体離脱が出来るようになる方法やら、
暗示にかかりやすいかどうかを見極める方法なども紹介されております。