今頃! 映画『イージー・ライダー』を映画館で観てきました。

有名な映画では有るけれど、今迄観たことが無く、
漠然と2人のならず者がオートバイで旅するロード・ムービーという
印象を持っていたのですが、良い意味で抱いていた印象と違い大変興味深く鑑賞しました。

ならず者なんかではなくて、
それなりに教育を受けた都会人の2人が
マリファナを売り、大金を作ってオートバイで旅行する。
自由」を求めて?都会の生活に馴染めなくて?

結局、この2人は冒頭、マリファナを売る箇所位しか、ワイルドな所なんて無くて
後は結構常識的で、マナーも良いんですよね。
旅する中で、色々な人に出会うのですが、
農夫の家ではマナーだから帽子を取れ、と言われれば従うし、
ヒッピーのコミューンに立ち寄っても、「こんな砂漠のような所に種を蒔いても、芽が出るわけがない」とか言っているし、
途中で出会った弁護士の熱弁「宇宙人の世界は自由で平等だ」という話もバカにしているし・・

結局旅をしても、拒絶されたり、自分たちが馴染めなかったり・・
唯一「自由」を謳歌出来たのは「お金で買った」娼婦達と過ごしたマルディグラの
一夜位ではなかったか・・

そして、俺たちは金持ちになったんだし、フロリダで引退しようと・・

本当の放浪ならば、マリファナを売って作るほどの大金も必要無かったはずで、結局、お金で解決出来る所でしか「自由」を感じられなかった二人。

自由」を説く人、と真に「自由」な人。
真に「自由」だから疎まれると
ジャック・ニコルソン演じる弁護士が2人に言いますが、
本当に「自由」だったとは思えない・・

自由」に憧れるけれど「自由」になりきれない人たちにとっては
マリファナが必要だった・・・というのがヒッピー文化なんでしょうか? 

公開当時、この映画がどう受け止められたのか・・
物凄く興味を持ちました。

又、ヒッピー文化と言う物をあまり良く知らないのですが、
今回、この映画を観てファッションだったり、図柄といった物が、
随分と南米の影響を受けているようなのもちょっと気になりました。

南米のカトリック風のちょっと派手な宗教画だったり、
ジャック・ニコルソン演じる弁護士が殺された後、流れる曲が
エレクトリック・プルーンズの「キリエ・エレイソン」とか・・

まあ、しかし・・この映画の舞台となっている、アメリカ南西部の砂漠のような
過酷な環境で生活している人たちが
宗教的なのは何となくわかる様な気がしました。
植物が生えそうに無い土地で食事にありつけると言うのは
本当に感謝すべき事だと思うでしょうし、
雨乞いの祈りだってしたくなる。
宗教ってそういう物なのかな・・と。
逆に都会の人間にはそれほど切実感が無いというか・・