おしっこがしたいけど

そんなことも忘れようとしながら詩をかく

ひざをゆらしながら詩をかく

青さを虹色で半透明なリボンが横切って

一日中日にカンカンに当てた布団の匂いがして

僕は歩いてる だけど気持ちは走っている



かっこいい子供になりたかった

だけどいつのまにかダサい大人になっていた

ひざを揺することが恥ずかしいから

ごまかす為に本当に走るんだ

全速力で走るんだ



息をきらせて冷えた夜を僕の熱気がごまかしている

耳の裏を流れる曲のなにが僕をこうさせるのだろう

かっこ悪い 

かっこ悪い音楽

空気読めないかっこ悪い

かっこ悪くてどうしようもない事だけが

カッコ良くて面白い音楽になるんだ



かっこ悪い 

かっこ悪い音楽

空気読めないかっこ悪い

かっこ悪くてどうしようもない事だけが

カッコ良くて面白い音楽になるんだ




かっこ悪くてどうしようもない事だけが

カッコ良くて面白い音楽になるんだ





なぜだかさ、バイト中にこれの音楽が思い浮かんできたんだ。
胸がきゅうっと締めつけられて、
口ずさんでから、口笛を吹いたりしたんだ。
帰ってきてたまらなくなって、見てしまって
ゴンドラを横切るシーンで涙が出てしまった。

これこそファンタジーじゃないかって思うんだ。
僕が口笛でメロディを包んだとき、
頭を駆け巡っていたのはハードでもソフトでも、当時の現実でもないんだ。
雄大に空に構える金色の街の神々しさと恋の切なさだったんだ。

涙が出たのは一瞬で

嗚咽を漏らしたのも一瞬で

なんでだろう。それが嫌なんだ。

きっとファンタジーは採算性でも、企業力でも、技術力でもなくて、
夢から生まれるんだ。
夢からしか生まれないんだ。

世界から夢は無くなってしまったんだろうか。

なんでだろう。いつまでも夢を追いかけていたいんだ。

夢の毛布に包まれて

夢を見ていたいんだ。




三次元の描写が素晴らしければ素晴らしくなるほど
僕らは興味深くそれを眺める。
だけど人の描いた夢は、人を包みこむんだ。
人は描かれた夢から言葉に収める事のできない景色を見下ろすんだ。
1巻を読んだ。なかなかの秀作。
最近多い、人気を集める為の型をなぞったような漫画とはちょっと違う。
どこまでいっても自分に自信が無くて、
最良の結果でしか満足できない主人公にとっても共感できる。
こんなに共感できた主人公ははじめてかも。
こうありたい。