ち「んっ・・・。」
ゆっくりと目を開ける。ボンヤリと目の前が歪んでいることに驚き、すぐに眼鏡をかけていないことに気づいた。いつも枕元に眼鏡は置くため、枕元に手を伸ばす。その時にジャラリとまるで金属がこすれ合う音がした。
ち「ジャラ、リ・・・?」
手首を触ってみると、何かが付いているような感触。眼鏡を付けていないため何が付いているのかは分からず、とりあえず顔の前に持ってくる。そして、付いている物を見て、声にならない声を上げた。
ち「こ、これ・・・。何で・・・?」
付いていたのは銀色の鎖。どうしてこうなってしまったかなんて分からない。確か昨日はこんなもの付いていなかったはずだ。なのに・・・。
?「ちえり。」
ち「ひっ。」
急に背中から抱きしめられて鳥肌が立つ。怖い。誰?何でこんなことするの?やめて。嫌だ。嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだ嫌だいやだ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だいやだいやだいやだいやだいやだいやだいやだっっ!!!グルグルと考えて振り払おうとするが、鎖に繋がれているために、それすらも出来ない。
ち「嫌っ!やめてよ!!」
?「ちえり、俺だ。分かるか?」
ち「はな、みやさ、ん・・・?」
優しく頭を撫でられたため、動きを止める。それに花宮さんは満足したのか、私が繋がれているベッドのすぐ隣に座ってきた。そして今度は私の手を握ってくる。そのゴツゴツしているものの細い手はまさしく花宮さんの物でホッとした。
花宮さんはいつもと少し違い、まるで割れ物を扱うかのように私を撫でてきて嬉しくなる。気持ちが高鳴り、花宮さんの手を握りかえそうと腕に力を入れれば、またジャラリと鎖の音がした。それに心がまるで氷のように冷たく固まる。
ち「花宮さん。こr」
花宮さんの方へ顔を向けると、貪るようなキスをされた。それはまるでそのことを聞くなというように。
息が苦しくなって花宮さんの胸を叩く。花宮さんはそれを聞いてくれ、すぐに離してくれた。
ち「・・・どうしたんですか?」
花「言わなきゃわかんねぇか?」
ち「え、ちょっ!?」
手首を掴まれ押し倒され、目を白黒させる。
ち「あ、あのあの、花宮さ、ん・・・?」
花「・・・・。」
ポタリと顔に何かが落ちてくる。それに落ち着きを取り戻し、私の手を掴んでいる花宮さんの腕が震えていることに気づいた。
ち「泣いて、るんですか?」
花「・・・嫉妬深くてごめんな。」
ち「あ・・・。」
ふと思い出すのは気絶する前のこと。確か、部活のマネとして買い出しをし、たまたま陽泉の岡村さんと出会い話し込んでしまったのだ。岡村さんは優しいし、兄みたいだし、花宮さんには言えないことをついつい話してしまう。それを花宮さんは見てしまったのだろう。だから、こんなにも嫉妬で狂ってしまったのだろう。
ち「花宮さn」
花「お前の感情も身体も何もかもが俺の物だ。だからだからだからdからdからだかrだからだからだから」
狂いながらも泣く花宮さんを見て微笑む。狂ってしまった理由は私。それに罪悪感は一応ある。でもそれ以上に、そこまで愛してくれてることに嬉しくなった。
ち「花宮さん。それじゃあ私の目になってください。」
花「は?」
ち「私、眼鏡がないとほとんど見えないんですよね。だから、花宮さん。私の側にいてください。私の目になってください。」
微笑んだままでそう花宮さんに言う。花宮さんが笑ったのが空気で分かった。
花「バァカ。本当に、お前は・・・。」
ち「馬鹿でいいです。愛してますよ。花宮さん。」
花「俺もだよ。バァカ。」
狂ってもいい。ただ、花宮さんと2人でいれるなら・・・2人だけの世界ならそれもそれで幸せだと感じるのだった。
ー狂った2人は永遠に夢から覚めることはないー
