数日過ぎてしまいましたが・・
7月7日、月組東京公演千秋楽をライブビューイングにて観劇してきました。
最近は、配信視聴もあまりしていなかったのですが、
宝塚ファンの幼馴染が、長年鳳月さんを応援していることもあり、月組本公演だけはずっと観ていたので、月城さんの最後をお見送りしようと映画館へ。
思えばプレお披露目以来のライブビューイング。
映画館で観たいと思った一番の理由は、ショー「Grande TAKARAZUKA 110!」の「荒城の月」。
先月、劇場で観たときに圧倒されました。
銀髪に平安装束姿で現れる月城さんの思わず息をのむような類まれなる美しさ。
スクリーンでもその美しさは変わりませんでした。
雪組時代を振り返るように「白い雪」から歌が始まり、月組につながり「荒城の月」
同じくこの公演で退団する麗千里さんのソロがまた素晴らしい。
最後に階段をあがっていき、振り向くその瞬間の表情。
月城さんの宝塚集大成のような場面と思いました。
最後の舞台から醸し出されるもの、そして宝塚の日本物だからこそ表せるもの。
もともと日本物が似合うと定評があった月城さんですが、「こういう役、こういう作品が観たかった!」と何度も思ってしまいました。
サヨナラショーの前、月城さんからの手紙が読まれる間にスクリーンに過去映像が映し出されるのですが、雪組時代の日本物の美しさ(「心中恋の大和路」の与平、よかったなあ)にもあらためて見とれました。
もともと美しい方ですが、彼女の真面目でピュアなお芝居は、日本物でよりその美しさや切なさがあらわせたのではないかなと思います。
あの短いショーの場面でそう思えるのだから、ひとつの作品のなかで観てみたかったなあ。日本物が似合う貴重なスターだっただけに、よけいにそう思ってしまいました。
スクリーンではあったけれど、また観られてよかった。
ショー自体も昔の月組を思い出すような楽曲があって(風間さんのロケットボーイ、「レビューⅡ」のウタコさんのロケットボーイを思い出しました)懐かしく、そして主題歌が耳に残るのも嬉しかった。(一度の観劇でもいつまでも残る主題歌は、昭和のオールドファンには貴重です 笑)
最後の月城さんのご挨拶、「自分よりも相手のことを思う、そう思っていてもなかなかできないことだけれど、それを宝塚の男役から学びました」という言葉にああ宝塚の男役の本質ってこれだったんだなと。
人間的な器の大きさ、包容力が、相手役や下級生、すべてのひとを包んで舞台全部が美しく見える、それが宝塚の舞台なんだなとあらためて思いました。
「夢」や「キラキラ」というワードはよく使われますが、それよりもっと深いところにある本質的なことを月城さんの言葉からあらためて教えられたような気がします。
カーテンコールで、次期トップの鳳月さんを呼ぶときに「実は楽屋で恥ずかしいからどうしてもやめてと言われてしまって」「え~」という客席の声に「ほら、え~って皆が~」と袖を見ながら鳳月さんに笑って話す自然な姿。
照れながら出てきて「呼んでくれてありがとう」と話す鳳月さんも本当に自然で。
私はスカステ加入していないので、WOWOWの宝塚プルミエールでしか月城さんと鳳月さんが話している姿を見たことがないのですが、お互いのさりげない気遣いを短い会話でも感じることがありました。
鳳月さんファンの友人から(あくまで友人の思いですが)「ただ舞台が好きなだけで、本当に欲がない人なのでトップになるのが今も信じられない」とよく聞かされていたのですが、短い映像や舞台を観ていても、ごく自然にトップを組を支えることに徹していてその言葉を実感することもあり、その姿が月組のお芝居を心地よくさせている要素でもあるのかなと。
上級生と下級生を超えた大人の関係。
舞台は人が出るとよく言うけれど、特に宝塚の最後の舞台は、その人がその場所にどう向き合ってきたかがあらわれることをあらためて感じました。
月城さんと、この舞台で卒業された皆さんのこれからに幸多かれと祈ります。
色々思うことがある宝塚ですが、千秋楽を観られてよかった。
そして、やはり昔も今も月組が好きだなと思いました。