あっという間に12月。

11月は幸せなタイムマシン「Greatest Moment」に乗っている間に終わってしまったかのようでしたが(この舞台については思いがとめどなくなるので?またいつかゆっくり・・)悲しい知らせもありました。

ブロードウェイの巨匠といわれる、作詞作曲家スティーブン・ソンドハイムの訃報。

初めてソンドハイムの楽曲に衝撃を受けたのは、
2009年PARCO劇場で再演された「日曜日にジョージと公園で」
でした。



この作品、1987年日本初演のツレちゃん版をウタコさんとミミちゃんが東京公演中に観劇に行ったのを歌劇が何かで読んで(休演日がない時代、皆パワフルだったなあ 余談)ツレちゃんがソンドハイムの楽曲はものすごく難しいとコメントしていたことがどこか頭の片隅に残っていて・・

そんな記憶もあってかちょっと構えて客席に座ったのですが、ソンドハイムの繊細なメロディーが心の奥底に響いて離れなくなってしまい、ついには海外版DVDをソンドハイムファンの方に借りて何度も何度もリピートするくらいその楽曲にはまってしまったのでした。

ブロードウェイ初演の二人のデュエット「MOVE ON」



画家スーラと彼の絵のモデルで恋人のドット。絵のことで頭がいっぱいのスーラを待てず、彼と別れて彼の子供を産むドット。百年後、新進芸術家となったドットのひ孫、ジョージは進む道を迷っている。そこへ現れたドットが、「前へ進むのよ」と歌いかける・・
(だいぶ薄れてきた記憶ですが、多分こんな場面だったような)

今、そばにいる人だけじゃなく、過去の自分とつながっている人も見守り、背中をそっと押してくれる。
見えない力に人はどこかで支えられている。
そう感じられる、心に残るナンバーでした。

ブロードウェイの初演でドットを演じたバーナデット・ピータース。
初演ミーマイのころ、小原先生がパンフレットかなにかに「こだま愛は宝塚のバーナデット・ピータースである」と書かれていて、どんな女優さんなんだろうとずっと思っていたのですが、この映像を見て、なんとなく・・わかるような気がしました。
相手を思う可愛らしさ、切なさ、いじらしさ。特にこのいじらしさは、どこかサリーのミミちゃんにも通じるものがあるような気がします。



ソンドハイム80歳のバースデーイベントで「Move On」を歌う二人。

歳月を感じさせないデュエット、初演を観た観客は感無量だったのではないかなと思います。

いつも拝見しているブロガーさんの記事で、このPARCO劇場版に出演されていた花山佳子さんが亡くなられていたことを知りました。




初演レミゼや「アイガットマーマン」など忘れられない作品が沢山あり、とても残念で悲しいです。
花山さんの歌声も忘れられません。

来年1月は、ソンドハイムの作品「INTO THE WOODS」が日生劇場から始まります。
心に響くメロディーが歌い継がれていきますように。