雪組トップコンビのサヨナラ公演大劇場千穐楽。

ライブ配信で視聴しました。

ニュースにもなっていましたが、きっと薄氷を踏むような思いで公演を続けている舞台の世界で、全員無事に千穐楽まで休演することなく完走できたことはすごいこと。
どれほどの苦労があったかと思います。本当にこの日をむかえられてよかった。

上田久美子先生の作品と聞いて期待していた「fffフォルティッシッシモ」
ベートーヴェンをこんな風に描くのかという新鮮な驚き、有名な曲の使い方(主題歌よりやはり耳に残りました)
今の状況下ならではの舞台の使い方。
だいもんの歌の力、真彩さんのオリジナルキャラクターに引き込まれ(ファントムよりも今回の役の方が個人的には合っているなと・・上田先生はよく生徒の個性を見ているなと感じます)
途中までサヨナラ公演だということを忘れて見入ってしまいました。
でもサヨナラだからこその集結力、パワーが加味されていて、ああサヨナラなんだと最後に思い知らされる・・映像でもすごかったので客席にいたらきっと立てなかったのではないかと思いました。
一見、宝塚でないようで、宝塚でなければ生み出せない力が配合されている舞台。
ウエクミ先生にやられました。

ショー「シルクロード」
生田先生の初のショー作品。
生田先生はお芝居よりショーのほうが個人的に好みかも。
ターバン(美しい人にこそ似合う)も選曲も衣裳もよかった。
だいもんの黒燕尾は本当に美しく、男役の集大成を感じました。
(薔薇を持って娘役さんたちと踊る振付、よかったなあ)

サヨナラショーの前にだいもんのメッセージを読み上げるとき、スクリーンにこれまでの映像が映るのですが、花組時代の映像にちょっと胸がきゅっとなりました。
真飛さんのお披露目公演「愛と死のアラビア」で主人公トマスに懸命に使えていた少年従者カシム。だいもんを認識した最初の舞台でした。
あれから13年。
今日の舞台はどの場面でもだいもんが出てくると空気が一瞬にしてぎゅっと濃縮される。
お芝居でもショーでも。
真のトップスターでした。

大階段をおりてのご挨拶も立派に務めていたけれど、最後ファンの方たちへの言葉を言おうとして涙に詰まる姿、皆さんに会いたいですと話す言葉に、スターとファンの幸せな関係を教えてもらったのは宝塚だったんだなと。
パレードもなく、お見送りもできないファンの方たちの淋しい切ない気持ち、誰よりもわかっているだいもんの言葉。これを聞けただけで、きっと報われたと思うのではないかなと。ファンのかたたちの胸を思い、涙が出そうになりました。

だいもんの、雪組全員の幸せそうな笑顔を見られてよかった。

東京公演も無事完走できますように。