12月24日、クリスマスイブ。
約10か月ぶりに東京宝塚劇場へ。



今年、中止になった舞台、消えたチケット、諸事情でやむなく手放したチケット・・今回もそうなるかと思ったけれど、ギリギリまで迷った結果、沢山の人の協力があって中に入ることができました。

生まれて初めて当ったSS席。これは神様からのクリスマスプレゼントかもしれないと自分に言い聞かせて。もちろん劇場の往復のみ、どこにも寄らず。



幕開きのチョンパで場内が明るくなった瞬間、わけもなく涙があふれて。

お芝居が始まる前に流れるアコーディオンにも涙が出て。

明るく楽しいお芝居なのに、何でもないところでなぜか涙が。

黒燕尾で泣き(センター席からの黒燕尾は格別なものがありました)
フィナーレで泣き。

青春時代のような特別なご贔屓スターがいるわけでもなく、どちらかといえば今はちょっと冷静?に遠くから観ているオールドファンのつもりだったのに、まさかこんなに泣いてしまうなんて。

大変な一年になってしまった今年、誰もがきっと、知らないうちにどこかで追い詰められて、心が乾いてしまっているんだろうなと思います。

そして自分もきっと、知らないうちに追い詰められてはりつめていたものが、まぶしいくらいの宝塚の光の中で溶けてしまったような。
これが心の潤いなんだなと心底思いました。

現実を生きるすべての人にとって、心の潤いは必要なもの。
そして自分にとって、宝塚はやはり原点であり、この場所が特別なものなんだなと。。

ほっとする楽しいコメディ(原作はあってもあてがきが生かされた舞台こそが翻訳ミュージカル以上に宝塚の持ち味、魅力だと思います)に心癒され、ムーランルージュのカンカンに月組のCANCANを思い出し。
心地よいコメディの間合い。
どの人のお芝居からも目が離せなくて。
昔も今もやっぱり月組のお芝居が好きだなと思いました。



劇場を愛するひとにとって、今も昔も宝塚に潤いをもらっているひとにとって、この灯が消えることなく続きますように。

そして今日は永遠に特別なご贔屓スター、剣幸さんとこだま愛さんの30年目の退団記念日。

この季節に日比谷にくると、灰色の空の寒さと寂しさと愛おしさ、色んな気持ちを思い出します。

今年の最後がこの舞台で、月組で、幸せでした。