ご縁があって、久しぶりのオーチャードホールに。

シンガーソングライター大貫妙子さんとバンドネオン奏者小松亮太さんのコラボレーションアルバム「Tint」発売記念コンサートツアー。




行くことを決めたものの、天候のせいもあってか?でかけるまでは雨のようにちょっと重たかった体と心。
いざ演奏が始まったら、そんな心と体がいつのまにか解放されていきました。

小松さんの奏でるバンドネオンの力強さと哀愁のある響き。ゲストピアニスト国府弘子さんの柔らかいピアノ。初めて生で聞く大貫さんの透明感ある歌声。

遠い席でそれぞれの方のお顔まではハッキリ見えなかったけれど、音楽から伝わる表情をそこかしこに感じました。

音楽に身を委ねながら、だんだん心がときほぐされていって。
その中で歌われた「ハカランダの花の下で」

1965年頃に大ヒットしたタンゴの名曲「最後の珈琲」をアレンジし、大貫さんが新たに作詞した1曲。歌詞はほとんど改訂してしまったので新しいものになりました、とステージ上で話されていましたが、この歌詞とメロディーと大貫さんの歌声がとてもマッチしていて。

切ない別れの歌なのに、言葉では言い表せない輝きがあって。
気が付いたらなぜか涙が流れていました。
もしかしたら知らない間に張りつめていたのかもしれない心の隙間に、差し込んできたような光。
これが音楽の力なのかなあと。


終盤に歌われた「美しきあなたへ」

NHKラジオ深夜便のテーマソングとして小松さんと作られた曲。

年を重ねてこそ人はロマンティックでいてほしいと語られていた大貫さん。優しくて柔らかくて甘く、どこか可愛らしいメロディー。
近年お見送りされたというご両親への愛にもあふれたこの歌も深く心に残りました。




「ハカランダの花の下で」原曲の「最後の珈琲」です。
原曲も素敵だけれど、大貫さんの詞が歌声が心から離れなくて。

どうしてももう一度この曲を聞きたくて、会場で買ってしまいました。

Tint/大貫妙子&小松亮太

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忘れられない1曲にまた出会えた夜でした☆