今日の午後NHKBSで放送されていた雪組「ベルサイユのばら」。


昨年上演されたバージョンで、東宝で観劇もしています。

再演される度に増えていく説明台詞はあまり心に残ることはないのですが(^_^;)

不思議と初演の台詞は細部までハッキリ覚えていて(笑)


社会現象にまでなった初演を生で観たことはないのですが、当時何度かTVで放送された映像の断片的な記憶でありながら、主題歌も台詞もいまだ鮮明なことにいまさらながらビックリします。


今日放送のラストシーン、断頭台に上がるアントワネットの最後の台詞

「さようならベルサイユ、さようならパリ、さようならフランス」。

いまだに体に残る初風諄さんの声。

この台詞を聞くとベルバラはアントワネットの物語であることをあらためて感じます。


原作者池田理代子さんが子供のころから書いてみたかったというアントワネットの生涯。

オスカルという魅力的なキャラクターが一人歩きしてしまった感がありますが、オスカルの任務であり誇りがアントワネットを守り仕えるということであるように、全てはアントワネットあってこそ。


初演時に植田先生が「いつかアントワネットの生涯を宝塚の舞台にしたいと思っていた」とパンフレットに書いているように原作の主旨と植田先生の意向がひとつになって生まれた名台詞なのではないかなと。


これぞベルバラ!という台詞を聞くと、途中のほとんど崩壊したかのような(失礼)脚本も一瞬忘れてしまいそうに・・。それだけ初演の力は大きいんだなあと。何よりもアントワネットができる娘役(女役)がいて初めて上演できる作品であることを思いました。


社会現象にもなり、ベルサイユのばらがなければ宝塚に出会わなかった人も沢山いる作品ではありますが(自分もそのひとりではありますが)、初演にあった原作の本来のテーマ、何を描きたかった物語なのかを今一度原点に返ってふりかえってほしいなと・・思います。