富山オーバードホール「ハロー・ドーリー!」公演制作日記に芸術監督奈木隆さんからのメッセージが寄せられました。

愛情と情熱、感謝のこもった素晴らしい文章に感動が蘇り、胸が熱くなりました。

サイトをご覧になれない方のために、全文をお届けします。


今年の夏は、本当に暑くてまた熱かった。

そろそろ秋の足音が聞こえてきそうな季節になりましたが、皆様は、如何お過ごしですか?

私達、公益財団法人富山市民文化事業団は、富山から舞台芸術を全国に発信しようとの試みで名作ミュージカル上演シリーズを立ち上げ、制作を続けております。この夏、念願のミュージカル「ハロー・ドーリー!」の富山再演、東京初演を実現することが出来ました。改めまして、公演に関わって頂きました全ての方々に感謝とお礼を申し上げます。
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富山に素晴しい稽古場施設(富山市民芸術創造センター)と優れたオペラ劇場(オーバード・ホール)があるから、素敵な舞台作品をプロ・アマ協力して富山で創ろうという思いでスタートした上演シリーズです。

このシリーズを立ち上げる際、発端になった事例がありました。私が、米国ロサンゼルスへ遊学していた1980年代後半、ウッドランドヒルズのリージョナル・シアターで観たミュージカル“王様と私”です。その地域に住む市民達が観たいと思う作品を選定し、主な出演者もやはり市民で、主要な役の一人から二人を本場ブロードウェイから招き、資金面も個人や地元企業から出資してもらいながら成立させていた舞台でした。根底には、“私達の劇場”という愛情が感じられ、その舞台のあまりの質の高さに驚かされた私は、いつか日本でもこの様な劇場を中心とした舞台創造活動をしてみたいと思ったのでした。

2011年2月「回転木馬」からスタートしたこのシリーズですが、毎回ミュージカルを愛する素晴しいスタッフ・出演者に恵まれ、東京公演という大きなイベントも無事終えることが出来ました。私達は、今後も富山から素敵な舞台を全国に発信できるように頑張ります。

次回作品も観客の皆様が劇場空間を楽しんで頂ける、オーバード・ホールが喜んでくれるような作品にすべく制作して参りたいと思います。

これからも私達の活動を応援して戴きたくお願い申し上げます。

公益財団法人富山市民文化事業団 
芸術監督 奈木 隆
企画制作課 職員一同




The Best of Times


「私達の劇場」が創った愛情あふれる舞台がどれほど心を満たしてくれるか、幸せをくれるかを実感した今年の夏でした。

この愛情と情熱がある限り、これからもずっとずっと応援していきたいと思っています。