NHKEテレ(いまだにこの名称に慣れません(^_^;))で毎週土曜に放送されている「SWITCHインタビュー達人達」 。
異なる分野で活躍する2人の達人が語り合い、番組の前半と後半でゲストとインタビュアーをスイッチしながら、仕事の極意について語り合い発見しあうクロスインタビュー番組とのことで、興味をそそられながらもこの時間はつい忘れてしまいがちで、なかなか見るチャンスがなかったのですが・・
昨夜の2人は中村勘九郎さんと、漫画家のヤマザキユリさん。
これは何としても見なければ!と久々にEテレにチャンネルをあわせました。
バイタリティーあふれるヤマザキさんのトークに刺激を受け、勘九郎さんの歌舞伎役者としての真摯な姿勢に心打たれ、あっという間の見ごたえ(聞きごたえ)ある1時間でした。
中でも特に心に残ったのが、勘九郎さんが父中村勘三郎さんからもらったメールについて話していた言葉。
舞台について褒めてくれた言葉で「誇りに思うよ」という一言が、どんな言葉よりも嬉しくていまだにそのメールは保存してあると語った後、「メールなんてなければよかったなって思うんですよ」と。
「メールがなかったら、きっと直筆で書いて渡してくれたんじゃないかなと」「携帯はいつまでもその機種を持ってはいられないけれど、そのときの携帯でその言葉を読んだ、そのことが大事だから、変わった機種で読んでも意味が違うんですよね」
そう、大事にしたい言葉だからこそ、やはり直筆に勝るものはないんだなあと。
書かれた文字から伝わる相手の気持ち、愛情や感動やそのときにこめられた想い。
宝塚OGの瀬奈じゅんさんが退団直前に出演されたラジオ番組でファンレターについて「メールの時代に直筆の手紙をもらえることはありがたい」「字を見ていると書いている方の顏が見えてくるような(実際には会ったことはなくても)気がするんですよね」と話していたことを思い出します。
自分自身も便利に利用している電子ツールではあるけれど、本当に大事なことを伝えるのには自分自身の手で書いた言葉なんだなあと・・あらためて感じました。
通りいっぺんのインタビューや、番組演出上の受け答えを要求されるバラエティーと違い、じっくりその分野に携わる人の話を聞くことができるこのような対談番組は見るほうにとっても興味深く新たな発見が広がるものがありました。
NHKならではのこのような番組創りにこれからも期待したいと思います。