アカデミー賞受賞作品やノミネート作品などが続々と公開されるこの季節。

 

普段ちょっと映画館から遠ざかっていても(^^ゞ数多く上映される魅力的な作品に心誘われ、毎年映画館登板回数が多くなる季節でもあります(笑)

 

ちょっとバタバタした日々をかいくぐって、ここ数日に続けて観た2本の映画は

「ヒューゴの不思議な発明 」と「アーティスト」

 

どちらもアカデミー賞5部門を受賞した話題の作品で、両作品の根底に流れる映画へのオマージュという点でもリンクするところがあり、そのあふれるような映画への愛情は客席にいる観客のひとりとして心に深く響くものがありました。

 

マーティン・スコセッシ監督の「ヒューゴの不思議な発明」に詰まっていた、1930年代のパリを舞台に実在の映画監督ジョルジュ・メリエス と映画の創始者でもあるリュミエール兄弟 を生んだフランス映画界への愛情と敬意。

 

ミシェル・アザナヴィシウス監督のアカデミー作品賞「アーティスト」に流れていた、サイレント映画からトーキーへそしてアメリカの財産ともいえるミュージカル(これは個人的に非常にツボでした(^^ゞ)へと繋がるアメリカ映画界への敬意。

 

どちらもその時代のフランスとアメリカの空気が忠実に再現されていて、まるでそこにタイムスリップして初めてスクリーンで映画を見た観客のドキドキした新鮮な気持ちになれて。

 

そして夢の裏側にいる人たちの苦しみや哀しみ、孤独や挫折に胸打たれ、こうやって夢を見ることができるのは、最初に夢を見た人たちの純粋で強い志があってこそなんだなあと。

 

ワクワクするような新鮮な気持ちと純粋な志で始まったことも、長く続いていけば、前進しているうちに迷走したり、見えなくなったり、見失うことも。

きっとよりよく長く続けていくためには、どこかで原点に立ち返って、最初に見たものは何だったのかと見つめなおすことが大事なことなんじゃないかなと思うのです。

 

時を同じくして公開されたこの2本の映画は、そんな原点回帰ともいえる作品。

時代は変わり、娯楽の世界も変わっていき・・・アメリカ映画界も模索の中で、原点を見つめなおそうとしているのかもしれません。

それは映画だけでなく、あらゆる芸術や娯楽の世界にも必要なことでもあるような気がします。

ただノスタルジーに浸るのではなく、過去から学び最初の志を称え思い起こすことが、また新しい道を創ってくれるのでは・・と。

 

今このような映画が生まれることで、どこかでまだ映画の世界は大丈夫と思えたこと、創り手の世界にそのような精神が息づいていることを感じられたことが何よりも嬉しく幸せでした。

 

どちらの作品ももう一度映画館で観て感じておきたいと思っています♪

個別の感想はそのときにゆっくりと・・・(*^_^*)