またまた間が空いてしまいましたが・・(汗)記憶を辿りつつもう少し続けたいと思います(^^ゞ

その他のドーリーキャストの方々の感想を。

野田久美子さん (ミニー・フェイ)

アイリーンの帽子店で働く助手のミニー。銀橋でのお芝居から始まる登場シーンでの、コミカルさ、愛らしさが印象に残りました。もう恋を諦めたかのようなアイリーンに対し、まだ恋を知らないミニーの雰囲気がよく出ていて、その対比が登場人物の彩りを豊かにしていたのではと思います。コーネリアスとの出会いで変わっていくアイリーンとともに何かが生まれてくるその喜びを生き生きと演じている姿が心に残りました。

最初の銀橋での場面は、観客にアイリーンやお店についての紹介を兼ねたMC的役割でもありミニーのキャラクターを印象付ける要素もあり、よくできているなあと感じます。そしてシンプルだからこそ、ひとりひとりのキャラクターが重要となり、演じる人に求められるものが大きいことも思わされました。重要なだけに難しい場面でもあったのではと思いますが、野田さんの思い切りのよい演技がこの作品の明るさにプラスされていたのではと思います。

藤岡義樹さん (バーナビー・タッカー)

ホレスの店で働く若いバーナビー。
年上の同僚コーネリアスに誘われて、一緒にNYへ冒険の旅に出かけるバーナビー。恋よりもNYの博物館にある剥製のクジラが見たくて(笑)コーネリアスについてきたバーナビーが、色々な騒動に巻き込まれながら目覚めていく姿は野田さんのミニーとともに溌剌とした演技で印象に残りました。コーネリアスとのコンビの間合いもよく、年下だけについ振り回されてしまう役どころもコメディの面白さを味わわせてくれました。生き生きとしたダンスもよかったです。

大内慶子さん (アーメンガード・ヴァンダゲルダー)

ホレスと一緒に暮らす姪アーメンガード。貧乏画家のアンプローズとの結婚をホレスに反対され、いつも泣いているアーメンガード。登場シーンではいつも大泣きしていることが多く、エネルギーが必要な役どころを一生懸命演じている姿と、ラスト近くホレスの店にアンブローズと現れたときの嬉しそうな表情が印象に残りました。叔父であるホレス役のモトさんやアンブローズとの仲を取り持つドーリー役の剣さんとのやりとりも堂々としていていい経験をされたのではいかなと思います。

佐藤弘樹さん (アンブローズ・ケンパー)

アーメンガードの恋人で画家のアンブローズ。貧乏なためホレスに反対されているアンブローズがドーリーの計画でNYの高級料理店ハーモニアガーデンのダンスコンテストに出る場面。映画版ではあのトミー・チューンが演じたことでも有名な役でもあり、佐藤さんのすらっとした長身を生かした迫力あるダンスは見応えがありました。この物語の恋模様を動かす最初のカップルでもあり、二人のまっすぐな気持ちが伝わってくるようでした。

坂井宏彰さん (ルドルフ・ライゼンヴェーバー)

ドーリーが亡くなった夫とよく訪れていたNY高級料理店ハーモニアガーデンのウェイター長ルドルフ。
主人公と馴染みの店に古くからいて、ドーリーのよき理解者でもあり友人でもありそして崇拝者でもある人生の多くを見つめているような人物。ドーリーが再び店に現れる場面で、多くの言葉を発しなくても、その表情からドーリーがかつてこの店でどれだけ愛されていたかを知ることができました。
短い場面ですが、とても大切な役。ものすごいプレッシャーに押しつぶされそうになっているとパンフレットに書かれていましたが、25年のキャリアがあってもそう思うのは、大事な役だと理解しているからこその言葉ではないかなと、大切に演じている姿からそう感じました。富山出身の坂井さんにとってもきっと忘れられない舞台になったのではと思います。味わい深いお芝居、心に残りました。

柳川玄奈さん (アーネスティーナ)

ドーリーがアイリーンの次にお見合い相手としてハーモニアガーデンでホレスに引き合わせる女性アーネスティーナ。
ドーリーの策略でお見合いを失敗に終わらせるようにわざと連れてきたアーネスティーナは、お色気満載の強烈なキャラクター。このハーモニアガーデンでのホレスとアーネスティーナのやりとりも、柳川さんの体当たりの熱演がホレスがふりまわされていくおかしさにつながっていたように思います。
坂井さん同様富山出身の柳川さん、昨年の「回転木馬」に続いての出演ですが、富山発のミュージカルを大事に創っていることが伝わってくる舞台でした。違った役柄でも観てみたいです。

長くなってしまいましたが、まだどうしても書いておきたいことが残っているので・・その6に続きます(^^ゞ 気長におつきあいいただける方は、よろしかったら・・(*^_^*)

こちらは二幕冒頭で、NYの街を歩くコーネリアス、アイリーン、バーナビー、ミニーが歌う「Elegance」
お金がないので、馬車に乗れないコーネリアスが歩くことこそおしゃれだといって歩きながら、4人の気持ちがだんだんほぐれてくる楽しく軽快な場面です。



アメリカの高校生のプロダクションによるもの。エプロンステージの使い方の上手さにミュージカルの裾野を感じます。