あっという間に11月。

書きたいことは沢山たまっているのですが、今月はまず今日(11/6)放送される番組のご紹介から。

(もしかしたら長くなってしまうかもしれません・・そして、例によって個人的な思い入れ満載なので、ご興味ない方はスルーしてくださいませ(^^ゞ)


以前ちらっと記事にも書いたのですが、10月から始まったNHK朝の連続TV小説「カーネーション」。


毎日の楽しみでもあり、元気の素でもあり、はまりにはまっているのですが(某所ではアツクルシク語っておりますが 笑)普段あまりドラマを見ない私が第一回からチャンネルをあわせた理由のひとつが、脚本を担当している渡辺あやさんでした。


私が邦画にはまるきっかけとなった映画「メゾン・ド・ヒミコ」。

主演のオダギリジョーさんが素敵だったこともありますが(^^ゞ脚本の渡辺あやさんの人の哀しさや滑稽さがにじみ出るような台詞のひとつひとつが心に残りました。思わず買ってしまったDVDの特典映像でも犬童一心監督があやさんの脚本に全面的な信頼を寄せている様子がわかり、この人の脚本には注目!となり・・その後観た「ジョゼと虎と魚たち」「天然コケッコー」でも役者さんと呼吸のあった脚本が印象的で、すっかりファンになってしまったのでした。


そんなあやさんの脚本を半年もドラマで観ることができるなんて!という喜びと、果たして朝のドラマの中でどうやって自分のテイストを生かしていくのだろうかという不安半々で見始めたのですが、想像以上の面白さ!

脚本はもちろんですが、美術(オープニング映像も凝っていてとても素敵です)、セット、音楽、そして生き生き演じている役者さんたち。全てがガッチリ組み合わさって15分とは思えない濃密な時間を感じます。


NHKの公式サイトやドラマガイト(思わず買ってしまいました(^^ゞ)を見ると、スタッフからキャストの役者さんに至るまで皆さんが語っているのが「台本の魅力」。


オープニング映像を担当した辻川さんが、一番の決め手となったという台本の「ミシンはうちのだんじりなんや!」という台詞。ミシンをだんじりに見立ててヒロイン糸子をモチーフにした人形が動くところは本当によくできていて毎回感心します。


主題歌の椎名林檎さんもあやさんの脚本に書かれている「生かされているものだけに通う、かなしみ、よろこびが全部入っている脚本」「そのきれいごとではないリアルな作品に恥じぬように丸腰で取り組む思い」だったと。


脚本がドラマを作る人たちに大きな影響を与え力となっていることを強く感じました。


「人物を描くのが楽しい」と語るあやさんの脚本。コシノ三姉妹のお母さん小篠綾子さんがモデルであり、実在の人物を描くことは面白さも難しさもあると思うのですが、必要以上にいい人にも悪い人にも描かず、等身大の人間としての喜怒哀楽がきっちりと描かれているからこそドラマに奥行が感じられます。


ちゃんと登場人物の行動にもひとつひとつにその先への伏線があり、無駄な場面がなく、細部にも手を抜いていないところも見ていてとても気持ちがよく、その姿勢がセットや美術にも反映されているような気がします。


ヒロイン糸子を取り巻く大人たちも、そんな等身大の弱さも苦しさも抱えるキャラクター。それぞれを演じる役者さんたちが、皆お芝居の根底にユーモアがあり器の大きさを感じさせてくれる上手な方ばかりなのも魅力的です。

この大人たちの台詞にも人生の糧となるようないいものが沢山あるのですが、それがお説教的に聞こえない、見えないで心に響いてくるのも、人物がきちんと描かれている脚本の力なのではと感じます。


ヒロイン糸子の、父善作。商売下手で頑固で子供っぽいところもある父ですが、とても人間的。演じる小林薫さんが、「人は誰でも多面性を持っていて優しくなれるときもあれば、気持ちが荒れるときもある。そんな風に感情が揺れている人間を演じるほうがずっと面白い」と語っているのですが、本当に楽しく演じているのが画面からも伝わってきます。そして何ともいえない役者の色気があって・・上手いなあと毎日ほれぼれ(*^_^*)


小林さんが語る「このドラマの台本を読んで一番いいなと思ったのは、作家さんが面白がって書いているところ。読んでいるとそれが伝わってきます。とてもいい台本だと思いますね」との言葉。

役者さんからこのように言われるのは作り手として最大の賛辞なのではないかなと思います。


朝の連続テレビ小説のヒロインは、8か月のハードな撮影期間とのこと。

ずっとその中で気持ちを維持するのは大変なことだと思いますが、このようなブレない脚本を8か月演じられることはきっとヒロイン尾野真千子さんにも大きな財産になるのではないかなと、演じる人にとってそれは幸せなことなのではないかなと(*^_^*)


沢山の視聴者がいるいわゆる朝ドラ枠ではあり、きっと沢山の制約もあるのではと思いますが、あやさんならきっと芯のあるブレない脚本を最後まで書ききってくれると思っています。


放送から1か月ちょっと経ってしまった「カーネーション」ですが、

本日(11/6)17:00~「まだ間に合う!花ざかりカーネーション」 という番組がNHK総合で放送されます。


もしまだご覧になっていない方でご興味ある方は、よかったらこの番組を♪


前置きが長すぎるご紹介でした(^^ゞ