ファントム千秋楽の余韻もさめやらぬまま、出かけた劇場で新たな感動に巡り合いました。


こまつ座第95回公演「キネマの天地」紀伊国屋サザンシアター


The Best of Times



チラシをみたときから気になっていた作品。

先に観た友人の絶賛の声に「期待しすぎないように」言い聞かせながら(^^ゞの観劇でしたが、その心配は杞憂に終わりました。

参りました!!終わった瞬間に思わず立ち上がって「ブラボー」と叫びたくなるような(しませんでしたが(^^ゞ)いつまでも拍手を送りたくなるような、最高の舞台でした!


麻実れいさん、三田和代さん、秋山奈津子さんという日本演劇界を支える女優陣と、浅野和之さん、木場勝巳さんというベテラン男優陣、若手の大和田美帆さん、古川耕史さん、7人がぴったり役にはまったこれ以上ありえないキャスティング。


井上戯曲にこめられた言葉の力、演劇への愛情、役者を信じる気持ち、その魂が宿ったような台詞の数々がこの役者さんたちを通して語られるのを聞いているとそれだけでたまらなく幸せで、練りに練られた最高に面白い脚本なのに、なぜか涙が出てきて仕方がありませんでした。


数々の名舞台を演じられた方ばかりでありながら、どの方からも井上作品に出演することの喜びと敬意が感じられました。個性豊かな役者さんのお芝居が見事に融合していたのは、台本を、井上さんの言葉を大切に演じていればこそなのではないかと。


皆さん素晴らしかったですが、麻実さん、三田さん、秋山さん、浅野さんというベテラン俳優陣と互角に渡り合った大和田さん、古川さんの好演にこれからがますます楽しみになりました。

そして、数多くの井上作品に出演されている木場さんの言葉を通して聞く井上さんの台詞はいつも心にずしんと響きます。


今、このメンバーでこの作品を上演できること、そのことが奇跡のようにも思えました。

この舞台が実現したこと、観劇できたこと、その巡り合いに感謝です(*^_^*)


25年ぶりの再演ということですが、これ以上ありえないキャストで蘇ったこの作品、きっと一番嬉しかったのは井上さんではないかと思いました。


数多くない観劇ではありますが、間違いなく今年度観たストレートプレイNO.1となりました。


二日続けてこんな感動を客席で味わうことができて、盆と正月がいっぺんにきたような気分です(笑)

幸せです・・・。