毎月時の流れの速さにびっくりしているうちに(笑)2010年の最終月がスタートしました!


このスピードで、新しい年がきてしまわないうちに!?今年の舞台を少しずつ振り返ってみようと思います。


その時点で感想を書いているものもありますので、その他思い出したことなどを交えて・・。


とはいえだいぶ記憶が薄れかけておりますが(^^ゞ・・もしかしたらちょっと辛口もあったりするかもですが(汗)・・そして例によって長くなるかもしれませんが・・よろしかったらおつきあいくださいませ。


まずは1月から・・。


#1 ミュージカル 「ファニーガール」 赤坂ACTシアター 感想はコチラ


#2 加藤健一事務所 「シャドーランズ」 本多劇場 感想はコチラ


#3 ダンスシアター GIGEITEN Ⅲ 「なつめの夜の夢」 赤坂レッドシアター


#4 「冬のライオン」 東京グローブ座


ひとつ前の記事でミュージカル離れが・・などと書いていますが、今年のスタートはミュージカルでした(剣さん出演の舞台でスタートできて嬉しかったです(^^ゞ)


ミュージカル自体は大好きなのですが、どうも翻訳ミュージカルを観る度にオリジナルのよさを生かせていないのでは・・と思える作品が多く、だんだん観劇回数が減ってきています。

そのひとつにミュージカルを演出する方が、ミュージカルそのものに対する理解(要となるナンバーの見せ方も含めて)や愛情がないように感じられてしまうことがあり(あくまで個人的な印象です)「ファニーガール」にもそのことを感じてしまいました・・。


翻訳作品の場合は、全てを同じように上演するのは無理であっても、いかにオリジナルのエッセンスを伝えてくれるかが大事だと思うので、諸々事情があるとは思いますが、演出家の方にはよりそれを伝えようと心を砕いてほしい・・と切に願っています。


「シャドーランズ」は、映画とはまた違ったオリジナルの戯曲が持つドラマの深さが伝わって、心に残るものでした。長年翻訳劇を上演し続けてきた加藤健一事務所ならではの舞台で、「自分の仕事の大半は脚本を読むこと」と話す加藤さんの言葉に、よい舞台を届けたいという強い情熱を感じました。


大浦みずきさんの最後の作品となってしまった「なつめの夜の夢」。


上演が発表されたときに、声だけの出演であっても回復されたならお祝いにかけつけたいと思っていたのですが、まさか訃報を聞くことになるとは思わず・・。年が明けてもまだ気持ちに整理がつかずにいましたが、最後の舞台を見届けたいと足を運びました。


1部のダンスシーン「わたしがこどもだったころ」大浦さんの温かく優しい声が今も心に残っています。

切なくなんともいえない気持ちで迎えた2部は、大浦さんが好きな楽曲を集めてのダンスレヴュー。

ミュージカルナンバーから、タンゴ・ジャズなどの選曲も心湧き立つものばかりで、大浦さんのセンスをあらためて実感しました。

冒頭、椅子に座って歌いだす福麻むつ美さんの姿が、ライザ・ミネリと重なってみえました。空間をぎゅっとつかんでしまうドラマティックな歌唱力。キレのいいダンス。

早くに退められたので宝塚在団中も舞台はほとんど拝見したことがないいのですが、こんな人がいたなんて宝塚はなんとぜいたくなところだったんだろうと思わずにいられませんでした。彼女が芯になったステージを是非観てみたい!このような実力ある人たちが活躍できる場がもっともっとあってほしいと思います。


日替わりゲストは、ダンサーとしても振付家としても第一人者の名倉加代子さん。宝塚の振り付けでもおなじみですが、ステージを拝見するのは初めてです。

登場した瞬間、客席が前のめりになるのが伝わりました(一番後方だったので)まるで宝塚のトップスターが表れたかのようなオーラ!ちょっと帽子を目深にかぶっただけで、ちょっと体を動かしただけで、流れる空気が違うのが観ていて感じらました。ゾクゾクするような色気と美しさと恰好よさと。かっこいいダンスってこういうことなんだなあと。まるで初めて宝塚を観たときのような衝撃でした。


GIGEITENは大浦さんの企画で始まった舞台とのこと。名倉さんも一目置くダンサーであり、そのセンスを思うと悲しさだけでなく本当にもったいないと残念でなりませんが、後に続く人たちが残したものを受け継いでいってほしい・・と心から願っています。


1月の最後は「冬のライオン」 


舞台は中世のイングランドですが、重厚さもありながら、一方で現代にも通じる家庭劇でもあり、夫婦の愛憎をめぐる人間のおかしさや滑稽さ、哀しさ・・いつの世も人間は変わらないと思わせてくれるドラマでした。

ヘンリー2世の平幹二郎さん。立ち姿や台詞回し(滑舌がよく声が実によく通っていました)も素晴らしくただただ圧倒されました。後で実年齢を知ってさらにビックリ!

長い間の積み重ねの結果であるとは思いますが、将来平さんのような役者さんが現れるだろうか・・と思うとちょっぴり心配だったり・・(^^ゞ

立っているだけでゴージャスな麻美れいさん。

平さんの存在感に消されてしまうことなく、互角に丁丁発止のやりとりで渡り合えるのは麻美さんならではだなあと。嫉妬に苦しんだり、完璧ではなくどこか欠落したところがあるキヘンリーの妻エレノアが何とも言えず魅力的でした。

カーテンコールのときの美しいお辞儀には思わずためいきがでそうに。本当に素敵でした(*^_^*)


2月の感想はまた近いうちに・・(笑)