勉強法の補足として、過去問と短答の扱いについて。

 

・過去問について

過去問を解くことは流石に必須だと思うので、今後の受験生は10年分以上の過去問を解かなければならないということになります。

そうなると、流石に時間的・体力的に厳しい人も少なくないと思いますから、まずは直近の5,6年分を解いて、残りは余裕があればというくらいでもいいと思います。

それだけやれば司法試験の論文問題がどれだけハードであるかということは嫌でもわかると思うので。

 

その代わり、解く問題は、徹底的に検討しましょう。

司法試験の論文問題については、出題の趣旨、採点実感、上位合格者の再現答案を照らし合わせて、落としてはならないポイントと順位を伸ばすために必要なポイントとを区別しつつ、徹底的に洗い出すことが重要です。

その上で、自分の言葉で、自分が考える最高の答案を作成してみましょう。

初めに作成した答案と対比して、目標までにどれだけ距離があるかを知って、自分にムチを打ちましょう。

 

なお、ここでいわゆる中位や下位の合格者答案を参照することはかなり危険だと思います。

おそらく、そういった再現答案を見れば、思ったより自分は合格に近い位置にいるのだと「誤解」しがちです。

受験会場にいる受験生のほとんどは中位や下位の合格者答案を見ても自分もこれくらいなら書けると思っているはずですが、その中の4分の3くらいは残念ながら不合格となるのですから、見かけ以上に高いハードルです。

こういった誤解は、この界隈の人が得意科目を基準にしがちなことも影響するのだと思います。

司法試験の論文試験では、一つでも失敗した科目があれば、それを他の科目で取り返すのは容易なことではありません。

むしろ、一番苦手な科目を基準にすれば、ハードルの高さを見誤ることも減るのではないでしょうか。

 

・短答対策について

得てして、司法試験の勉強法についての記事は、短答対策について触れていないものなのですが、それは、短答対策というのはほとんどの人がやっていることで足りるからなのでしょう。

すなわち、過去問を解くこと、これだけです。

 

私は、辰已法律研究所から出ている『過去問パーフェクト』シリーズを使用していました。

これは各科目の過去問を体系的に整理したものなので、類題をまとめて解きたい人におすすめです。

一年分の全科目をまとめて解きたいという人であれば、年度ごとの問題集を使用すればよいでしょう。

短答は最近徐々に難化してきていることもあり(今後も難化傾向は続くと思います)、それに加えて、『肢別本』も使用しました(実は民法だけは最後までやる時間がなかったのですが)。

それだけやれば、短答対策としては十分だと思います。

 

往々にして合格者の短答の成績と論文の成績は近くなりやすいのには、やはり理由があって、勉強法についてのこれまでの記事で述べてきたような勉強をしっかりとやっていれば、短答対策で悩むことはないと思います。

もし論文は完璧なのに短答は苦手で……なんて考えている人がいるのであれば、論文は完璧というのが誤りでしょう。

 

・論文対策と短答対策のスケジュール

むしろ、多くの方が悩まれるのは、短答対策をいつ始めるか、論文対策と短答対策を並行して行うべきかどちらか一方に集中して行うべきか、といった点でしょう。

そこで、私の本年度の司法試験の直前期の勉強スケジュールを示しておきますが、やり方は人それぞれあると思うので、あまりこの点に悩まないのがよいと思います(直前期は悩みが多くて仕方がないのですが)。

 

3月前半:『過去問パーフェクト』1周目+論文の演習の残り。この時点では、まだやり残していた演習書があったので、それを解きつつ、短答対策を始めました。

 

3月後半:時間を計っての論文の演習。私は、ここで予備校の答練を使って、実践的な演習を行いました(手で書く感覚を取り戻しておくため)。解説ではなく、「まとめノート」や自分の以前に作成した「演習書」の解答(時間内に書いたものではなく、自分が考える最高のもの)と照らし合わせて、自分の目標にどれだけ近づけているかをチェックして、論文対策の総仕上げ。

 

4月前半:『過去問パーフェクト』2周目+全科目の「論点総ざらい本」で弱点がないかをチェック。短答対策に重点を置きながら、論文対策の総仕上げに入っていきました(メインは短答対策)。

 

4月後半:『肢別本』+「演習書」の問題を読んで答案構成→自分の以前に作成した「演習書」の解答(時間内に書いたものではなく、自分が考える最高のもの)で漏れがないかをチェック。論文対策と短答対策は半々のイメージ。

 

5月(試験開始日まで):「まとめノート」の読込み+実際に手で書いてみる。やはり最後は論文対策に絞って勉強するのがよいでしょう(なかなか勉強が手に付かない時期でもあるので)。

 

短答対策は試験日の1か月前くらいまでにおおよそ完成させておくのがよいでしょう(この時点で短答合格者の平均点が取れるくらいになっているイメージ)。

その後は、論文対策の総仕上げをしつつ、例えば『肢別本』を使用するとか、教科書を読み直すなどしてさらに短答で稼げるようにしましょう。

短答の点数は論文の一科目分程度と言って軽視しがちですが、問題の難易度及び成績の安定度が全然違います(論文一科目分、安定して上位が狙えるなら狙うしかないでしょう)。

短答で点数を稼いでおけば、試験終了後に論文のミスが気になりにくいというメリットもありますよ(実は、これはかなり重要)。

 

とにかく直前期は時間がないので、やると決めた演習書は早めにやっておきましょう。

私も2月中には全て終わらせる予定でしたが、結局、3月まで食い込んでしまい、『肢別本』は最後までできなかったので、予定通りに全てこなしていくことは非常に難しいです。

一日に何問の論文を解くといった形できちんと終わらせることのできる予定を立てましょう。