(2) ②の時期(法科大学院入試・予備試験受験期)
現在の制度では、司法試験を受験するためには、法科大学院を修了するか、予備試験に合格するしかないので、そのための対策期ということになります。
この時期の勉強としては、
まず、引き続き普段の学習で新たに理解した点、自分の理解の間違いに気づいた点などについて、「まとめノート」を加筆・修正すること、
他に、簡単な演習書で論文対策の基礎をつくること
の2点になると思います。
ここで使用する演習書は、司法試験対策を意識した本格的なものではなく、重要論点・判例を一通りおさえることのできるものがよいと思います。
基本書の記事の中で「あんちょこ」として挙げたものは、この時期に使用することをおすすめします。
また、その他に挙げるとすれば、商事法務から出ている「Law Practice」シリーズが適しているでしょうか。
あるいは、法科大学院の過去問や旧司法試験の過去問を活用するのもよいと思います。
ただ、旧司法試験の問題については、現在の受験生が書くような答案の形での参考答案がなかなか手に入りにくいので、勉強しにくいかもしれません。
辰已法律研究所から出ている『読み解く合格思考』シリーズの憲法と民法は「エリート」の方が旧司法試験の参考答案を作成された、大変ありがたいもので、使用することをおすすめします。
(同シリーズの他の科目については、私は使用していませんので、特におすすめしません。)
(3) ③の時期(司法試験受験期)
いよいよ、司法試験の対策の時期です。
この時期の勉強としては、
まず、引き続き普段の学習で新たに理解した点、自分の理解の間違いに気づいた点などについて、「まとめノート」を加筆・修正すること、これは常に新しい判例・学説が登場してくる以上、必須です。
他に、論文対策として、いよいよ司法試験の論文問題を意識した演習を行うことになります。
多くの受験生は、基本書の記事の中で「演習」として挙げたもの、司法試験の過去問、予備校の答練をこなしていると思います。
念のために言っておきたいのは、何よりもまず「書くこと」が大切だということです。
演習書は「読むこと」では何も得られません。
時間を無駄にするだけです。
自分では理解しているつもりの論点でも、いざ書いてみようとすると上手くいかないといったことはザラにあります。
書いてみようとしなければいつまでも改善点に気づかないままになってしまいます。
そこで、自分を追い込むという意味で、自主ゼミを組んだり、予備校の答練を受講したりといったことはおすすめどころか、むしろ必須だと思います。
(言うまでもないとは思いますが、予備校の答練(もちろん予備校でない演習書の類もそうなのですが)は解説を鵜呑みにすることなく、内容面に疑問を持ったら自分で調べてることが必要不可欠です。)
ただし、ここでいう「書くこと」は、自分の手で書くことに限りませんし、そもそも自力で書く必要もないと思います。
もちろん最終目標としては、自分の手で、自力で書かなければならないのですが、少なくとも我々「非エリート」はいきなり自力で答案を書くことは不可能です(それができる人は「エリート」です)。
最初は、「まとめノート」、教科書、副読本、あんちょこ、演習書の解説を読みながらでもいいので、自分の言葉で答案を書いて(時間がかかるのでPCで作成してもよいです)みるべきです。
そこからスタートして、徐々に使用する教材を減らしていき、最後に、自力で手書きの答案を作成することができるようになればよいと思います。
要は、「カンニング」してもいいから書け!ということです。
例えば、基本書の記事で挙げたような演習書は、
① 自力で答案構成(問題点の指摘・論証の書き出し・あてはめの方向性)まではするけれど、
② 上記のようなものを参照しながら、足りない部分、誤っている部分を把握し、
③ 必要であれば、他の文献まであたって調査をして、
④ フルサイズ(司法試験の答案用紙6、7枚程度)の完璧な答案を作成する
といったやり方でこなし、自分の手で、時間内に、自力での答案作成は、司法試験の過去問や予備校の答練で練習するという勉強法が考えられます。
あるいは、司法試験の過去問で出題傾向を把握するために、上記①ないし④の手順でこれを解いて、
時間を計っての自力・自分の手での演習は、演習書や予備校の答練を使うという方法も考えられます。
とにかく、この時期には、書いて読んで書いてを繰り返すことが必要です。
また、どのようなやり方にせよ、自分が一回解いた問題については、次に同じ問題が出たら(その可能性は厳密にはゼロなのですが)、100点の答案が書けるようにすることも大切です。
そうでなければ時間の無駄です。
書け!分からないなら調べろ!といった感じですね。