忘れてました!!


普通自動二輪免許


卒業検定の時のおはなし。


〜当日朝。


卒検を受けるのは

わたくしを含め5〜6人だったかな。


小柄でカワイイ女子

ひょろっとした背が高くて若いイケメン男子、自分と同じ位の男性、、他。


まさに

老若男女。



本日は晴天なり。



準備室でいつものように

プロテクターを装着して待機する。

みんなソワソワ感を隠せない。



卒検コースはAとBの2パターンを

頭に叩き込まなければならず、

覚えるのに苦労しました。


(卒検当日にどっちのパターンか発表される。)


準備室に各コースパターンが壁に貼ってあるので、

事前に携帯で写真を撮っておいて、なんとか覚えました。


そして、


こういう時の嫌な予感は結構

当たるのよ。わたくし。


トップバッター。


1』と大きく書かれた黄色いゼッケンをプロテクターの上から被って、下に降りていく。


(今にも心臓が飛び出しそうだ。

いっそここから逃げ出したい。)と思った。


コースはBパターン(だったかな?)



スタート地点から外周をぐるっと回ってからの


急制動。


そして

右折でコース内に入り、踏み切り、坂道発進、クランク、スラローム、S字と続く。


後に一本橋。


苦手な項目が最初と最後。



『いつもの教習、いつもの教習・・・。』


自分に言い聞かせながらスタート地点へ歩いていく。


スタンバイされているバイクの前に立って、教官の合図を待つ。


みんな2階から見ている。


こんなに緊張するのは、人生、

後にも先にも無いだろう。


そしてスタートの合図。


いよいよだ。


(緊張のあまり、今回のコースパターンが

頭から飛びそうになる。)



『よろしくね。』

バイクに挨拶する。


(教習中、相性が良かったバイクだった。これだけは運が良かった。)



深呼吸して、


いざ。


後方確認してバイクに慎重に跨る。


右足はブレーキの上。


左右のミラーを調整(するフリ)。

(*ミラーの角度がちょうど良くても、調整するフリをしなければならない。)


左手でクラッチを握りしめて、

震える右手でキーを回し、スタートボタンを押す。


【キュルキュル・・・ブルン!ブルルルルルルルルル】


エンジンのかかり具合は好調だった。


(*以下、細かい作法は割愛します。教習所で習ってね。)


緊張しながら発進する。



コース上には自分以外

誰もいない。


まずは

コース中心部から外周へ出て、徐々に加速していく。


最初の難関、

急制動。


本当に苦手な急制動。


短い距離でバイクを40キロまで加速させながら、

急制動ポイントを目指す。


今までの教習が走馬灯のように頭の中に巡る。


エンジンが唸り声を上げながら

スピードメーターの針が40キロを過ぎようとしている。


いよいよ急制動ポイントにさしかかる。


(停止位置を越えないように、

停止位置を越えないように・・・)


力み過ぎていたせいか、前輪ブレーキを一気にかけてしまい、見事にタイヤがロック。


『キキキーーーッ!!』


気付けば長いタイヤ痕とゴムが焼ける匂い。


(やっちまった・・・。)


そしてめちゃくちゃ恥ずかしい。


おそらく、見学者の誰もが

『あちゃ〜・・・』と思っただろう。


教習を受けていた時でさえ、

こんなことは無かった。


(本来、タイヤがロックしないようにジワリと徐々に、尚且つ短い距離でブレーキを強めていき、停止線を越えないように安全に停車させる。)


転倒まではしなかったが、

不合格を確信した。


『また卒検を受け直せば良いや。』そう思った。


その時。何かが吹っ切れた。 

(今でもハッキリ覚えている。)


『次があるさ。』と思うことで、自然と肩の力が抜けた。


そして、その後の項目は全てクリア。


教習中、まぐれでしか通過できなかった

難関の一本橋ですら難なくクリア。



(あ〜ぁ。急制動さえできてればな・・。)


そう思った。



ガッカリしながら

トボトボ準備室へ戻る。


恥ずかしげに

『やっちゃった〜w』というと、


すごい音しましたねーと言われる。

(やっぱりみんな見てたのね・・・)


のんびりとプロテクターを外しながら、

次の人を見送る。


・・・


みんな、無事に終わってゆく。


全員の検定が終わった後、

準備室にて合否発表だ。


みんなドキドキしながら検定員が入って来るのを待つ。


わたくしはというと、


次の卒検はいつにしようか、携帯で会社の勤務表とにらめっこしていた。


検定員がバインダーを片手に入ってくる。


合否発表。


検定員『1番のぬんぬんさん、もう少し急制動の練習してくださいねー。』


はい・・・。

(やっぱり落ちた・・・)と思った。


『合格です。』


(は?)


検定員が言っていることが一瞬、理解できない。


急制動で、あれだけの醜態を晒したのだったが、


なんと、停止線は越えていなかったのだ。


奇跡の合格だった。


(今思えば、おまけ合格だったのかもしれないが。)


本当に嬉しかった。

車の免許を取った時より嬉しかった。(多分)。


こうして、

普通自動二輪免許取得への挑戦が

無事終わったのでした。


長いタイヤ痕を残して・・・。




・・数日後。


免許の書き換えに交通センターを訪れる。


なんと、

卒検を一緒に受けた、背が高くて若いイケメンと

バッタリ合う。


戦(いくさ)を共にしたという仲間意識があり、

とても嬉しかった。


彼も今、どこかでバイクを乗り回していることだろう。


おしまい。



【おまけ】


バイク免許取得にあたって、よく見たYouTubeチャンネルは


・バタイダーZ

・マッスルバイクちゃんねる。

・サルの弟【卒業検定】普通自動二輪


等です。



大変ありがとうございました。

この場をお借りして、感謝申し上げます。