米原油指標のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)期近9月物は10日、先週末の終値比5%高の一時1バレル82.32ドルを付けた。ホルムズ海峡を巡る米国とイランの交渉が進まないことへの懸念が高まった。

80ドルを超えるのは6日ぶり。ホルムズ海峡の開放への期待感から4日以降70ドル台を付けていた米原油指標が再び80ドル台に戻った。

 

イランは8日、ホルムズ海峡の開放を巡り米国に対し強硬姿勢を強めた。海峡を開放する条件として、制裁解除や攻撃による被害補償など6項目を突きつけた。9日にはアラグチ外相が米国が要求を受け入れない限り「協議を再開しない」と述べた。

米側には停滞する交渉の打開策は乏しい。米ニュースサイトのアクシオスは9日、トランプ米大統領が「巨額のインフレで(イランの)資金が底をつく様子を注視している」などと発言したと報じた。軍事的な脅しをかけるのは避けた。

原油指標を巡っては、4日にベッセント米財務長官が海峡開放でイランと近く合意する可能性があると米メディアに語り、先週には7月中旬以来の安値を付けていた。

プライス・フューチャーズ・グループのフィル・フリン氏は10日付のリポートで原油価格の上昇は限定的だと評価し、「市場は戦争終結に対して慎重な楽観姿勢を維持している」と指摘した。