ドラマ「若草物語」全13話 1968年毎日放送

1月のチャンネルNECOは芦川いづみDVDセレクション発売記念として、映画版とドラマ版の若草物語を放送しました。
映画版は以前紹介しましたので、今回はドラマ版の紹介です。

若草物語は全13話と放送回数は少ないのですが、オープニング映像は前期と後期の2回変わりました。私は基本的に初めの方が好きで、オープニングが変わると、そのままの方が良かったのに!と思うのですが、この作品は圧倒的に後期版の方が好きです。
なので、この画像は後期版のオープニングタイトルです。

ストーリーは映画版とは別物ということで、東京の丹崎家四姉妹の日常生活のお話です。
主役は芦川いづみさんになっていますが、次女役の山本陽子さんとダブル主演の様な感じで、恋愛シーンは山本さんの方が中心になっていましたが、当ブログではいづみさん中心に紹介します。

長女、丹崎かすみ(芦川いづみ)
結婚願望があるのか無いのか、見合い話を断り続けています。
26歳設定なのですが、実年齢より7歳若いので少し無理あるかなー

でも、かすみって良い名前ですね。

優秀なテキスタイルデザイナーとして、大丸百貨店と契約してるのですが、どんな品物を織っているのか見せてくれませんでした。

次女、丹崎花(山本陽子)
料理学校の助手で、テレビの料理番組出演の依頼や、料理の仕事で海外まで出掛けるなど、期待されている逸材ですが、家族にはマニュアル的な味と言われ評判はイマイチ。
かすみさんが内向的なので、社交的な花ちゃんの方がエピソードが多いんですね。

三女、雪(伊藤るり子 )女子大生役
三女と四女は姉たちのサポート役だが、雪ちゃんは4話で主役回がありました。
伊藤るり子さんは、当時の日活制作ドラマの常連で、松原智恵子さん主演作品にもよく出てましたが、いづみさんとの共演は珍しいので、その点は斬新でした。

四女、きり(川口晶)高校生役
ちょっとマセた高校生役で、川口晶さんのピッタリな役柄なんですが、何故か途中、修学旅行や交通事故でケガの理由で4話程出演しませんでした。
放送回数が短いので、四姉妹の一人が出ないのは違和感ありましたね。
どういう理由で休んだのかな?

四姉妹の父母は佐分利信さんと加藤治子さん。
加藤治子さんは日活ドラマではお馴染みで、いつものキャラです。
それに引き換え、佐分利信さんの父親役は意外でした。
気の弱い父親役が定番なのに、重厚な佐分利さんを持ってくるとは。
佐分利さんの父親役案外良かったです。

かすみさんの相手役になったのが、牧場経営の工藤堅太郎さん。
三女、雪のペンフレンド(主題歌を歌っている佐良直美)の兄で、運転手として付いて来て、かすみさんと遭遇する。
しかし、その後の発展は何もなく、直ぐにフェードアウトしてしまいました。
かすみさんは、近所の少年(山川ワタル)にも憧れられていましたが、少年はその後四女と交際。

そして、かすみさん本命の相手役になるダム設計士の山上宏(青山恭二)が登場します。
初めての出会いは大丸のエレベーター前で二人がぶつかります。
※このドラマは「大丸名作劇場」の作品なので、大丸関連が何度か出て来ます。

山上宏は古風な性格で、かすみさんの事を、乙女座のα星スピカになぞらえて
「スピカの君」と書いたラブレターを送ったりしました。
かすみさんも山上宏の事を気に入っているようでしたが・・・

次女・花ちゃんの相手役はカメラマンの古垣健司(川地民夫)と室内装飾家の小池こうたろう(藤竜也)
山上宏に比べると、こちらの二人の方が目立つし、花ちゃん中心にドラマが進んでいると考えざるをえないです。それと魚屋(なべおさみ)にも憧れられてたな。
この場所はスナック『ほそくら』で、真ん中の女性は四姉妹の叔母のえい子(鳳八千代 )です。

山上宏がダム建設の現場に行ってしまい、登場しなくなったのですが、9話で同僚の殿村りゅうた(中山仁 )が現れ、一緒に競馬場へ行くことに。
ここで、普段おしとやかなかすみさんが、競馬に興奮した上、大金をゲットします。
その後も家族に競馬の楽しさを力説して、競馬エピソードは続くのかと思いましたが、この回だけでした(笑)

ダム建設現場に帰る殿村りゅうたを見送るかすみさん。
作品中この表情が一番好きです。

このドラマでは、いづみさんと結婚した藤竜也さんと共演されていますが、中々二人が映るシーンがありません。
8話の羽田空港のシーンで、伊藤るり子さんを含めて、ようやく捉えました。

そして、9話で二人のツーショットが実現!
二人のツーショットは映画でも見たことがありませんし、これは貴重な一枚だと思われます。

11話で久しぶりに山上宏が登場し、かすみさんの両親に結婚の承諾を得た後にプロポーズするという古風?な戦法を出しますが、タイのバンコックに3年間出張の話を後出しで言って来ました。
かすみさんは、大好きな家族との生活を3年間も犠牲にする人じゃないと断り、山上宏はフェードアウト。
最終回まで後2話あるのに、かすみさんは脇に回ってしまいます。

残りは花ちゃんの恋の行方の話になるのですが、
12話で花ちゃんのライバル役で(カメラマン古垣健司のパトロンの娘役)浜川智子さんが登場。
この頃は日活所属末期で、浜かおるに改名直前ですね。

最終回で伊豆熱川ロケがありました。
花ちゃんは古垣健司と結婚することになり、伊豆熱川のホテルの女将をしている古垣健司の姉(藤間紫)に報告する為、四姉妹が向かいます。
熱海ー伊豆急下田のヘッドマークを付けた113系電車

四姉妹は113系電車のグリーン車に乗車してます。
リクライニングしないクロスシートです。

伊豆熱川を歩く花ちゃんじゃなく、かすみさんと古垣健司。
この二人を見ると、どうしても「志都という女」を思い出してしまいます。


あとがき
「若草物語」は30分13話と短いので、内容はあまり濃くなく全般的に淡泊でしたね。
映画版と違って、ドラマ版のメンツなら、もっといづみさん中心でストーリーを作れなかったのかな?と思いましたが、やっぱり年齢がネックになったのでしょうね。
もう少し前にドラマ版が作られたらなぁ。

「若草物語」の後番組は、いづみさん主演の「花の恋人たち」で、この後藤竜也さんと結婚して引退されました。



この動画の18分からドラマ若草物語主題歌、佐良直美さんの「若草の恋」が聴けます。