今回紹介する作品は
1959年(昭和34年)新東宝
「金語楼の海軍大将」
曲谷守平監督
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あらすじ
上海陸戦隊本部配属の三等水兵・山下敬太郎(柳家金語楼)は、好色な水原大将(坊屋三郎)の当番に配属されたが、中国・重慶側のテロ団に拉致された水原大将の身代わりをすることになる。

新東宝の金語楼シリーズ最終作です。

今回は作品のストーリー紹介よりも資料的そしてミーハー的ブログです。

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山下敬太郎(柳家金語楼)
金語楼さんの役は、老年?三等水兵・山下敬太郎ですが、山下敬太郎の役柄で大蔵新東宝時代にシリーズ7作も作られていたのですね。
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映画タイトルに海軍大将と書いていますが、海戦シーンがあるのは冒頭だけで、しかもこれは山下敬太郎の夢の中の出来事。
日本海軍はアメリカ海軍に勝ちまくり、遂にアメリカに無条件降伏を受諾させる史実とは逆。
戦果を伝えるのは参謀役の丹波哲郎さん。

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酒保の娘みち子(星輝美)
「金語楼の海軍大将」はCS未放送の幻の作品だったのですが、つい先日DeAGOSTINIからDVDが発売されたので、早速購入しました。
勿論目当ては輝美さんです(笑)
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輝美さんは金語楼さんの娘役とばかり思っていましたが、何と恋人役でした!!
輝美さんと金語楼さんの実年齢差は40歳。
孫役でも不思議ではないのに。
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二人でままごとをするシーンも

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輝美さん自体は出番は少ないのですが、金語楼さんの夢の中で芸者・みち奴に。
勿論輝美さんが芸者姿になるのは、これが最初で最後、超貴重なシーンです。
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夢の中で元帥になったさん山下敬太郎と踊るみち奴

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水原大将(坊屋三郎)
妾が3人でスケベな大将だが、金語楼と並ぶこの作品の中心人物です。

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重慶側のテロ団と対決する日本特務機関の杉浦大尉(寺島達夫)と女間諜の巴静子(万里昌代)
ハンサムタワーズの寺島さんはデビュー間もない出演。
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万里さんは重慶側の役の方が合うと思ったのですが、似合うチャイナ服で潜入したり、得意な柔道技を使ったりで活躍、この役で良かったですね。

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重慶側のテロ団の面々
平凡太郎 宇田勝哉 魚住純子 谷村昌彦
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その中で紅明蘭役の魚住純子さんは、水原大将を誑しこんで拉致に成功するなど活躍する。
やっぱりこの役は万里さんより魚住さんですね。

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謎の和服の女(シークレット・フェイス)
これがシークレット・フェイスとしてデビューした三条魔子さんのデビュー作で初登場シーンです。
当時16歳の三条さんですが、とても見えない大人びた顔です。
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言い寄る水原大将から財布をスル三条さん。
デビュー作は女スリ師だったのです。

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葛城中尉(吉田輝雄)
山下敬太郎の直属の上官だが、今回は同じハンサムタワーズの寺島さんの方が重要な役でした。
資料的にはこれが吉田輝雄さんの最も古い映像です。

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山下敬太郎の活躍?で重慶側のテロ団は逮捕され、二階級特進し水原大将から一日大将を命じられた。
和服姿の輝美さんも貴重です。

あとがき
この作品の脚本は曲谷守平監督と渡辺祐介助監督の共同で、監督昇進直前だった渡辺祐介さんの色がかなり出ていますね。

一応戦記物ですが、終始コメディになっており、敵の重慶側のテロ団の役名は四暗刻など麻雀の役満名を使うなどコメディに徹していました。

ただ、当時はあまり知られていなかった自爆テロを連想させるシーンもあり、後々見ると斬新なアイデアでしたね。


最後にDVDの特典に付いていた作品資料から出演者紹介の一部をどうぞ。