今回紹介する作品は
1960年(昭和35年)新東宝
「女と命をかけてブッ飛ばせ」
曲谷守平監督
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/3f/f7/j/o0800060013408720919.jpg?caw=800)
あらすじ
猪突猛進のスピード狂である松崎一夫(宇津井健)は、東朝新聞の記事輸送員。
特ダネ記事をバイクで新聞社に送るのが仕事だが、仕事の為ならスピード違反はへっちゃらで、その事で編集部といつも口論していた。
ある日、同僚が事故を起こし会社から首になったのに腹を立て、部長(九重京司)と大口論の末会社を辞めてしまう。
新東宝末期のプログラムピクチャーですが、「女と命をかけてブッ飛ばせ」のネーミングが非常にストレートですね(笑)
特に曲谷守平監督は、こういうネーミングの作品を多く撮っています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/8e/87/j/o0800060013408721002.jpg?caw=800)
松崎一夫(宇津井健)
「ブッ飛ばし」だけが俺の生きがいと公言するスピード狂。
新聞社を辞めた後、スカウトされていたモーターボート乗りになります。
自説を曲げない、猪突猛進型は宇津井さんにピッタリですが、バイク乗りやモーターボート乗りに向いているとは思えません(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/ab/4b/j/o0800060013408721116.jpg?caw=800)
小島絹子(星輝美)
宇津井さんの同僚(伊達正三郎)の妹だが、輝美さん、遂にこの作品で宇津井さんの相手役になります。
宇津井さんの彼女設定なので、若干大人っぽい演技です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/75/af/j/o0800060013408721190.jpg?caw=800)
輝美さんは女ライダーだった!
宇津井さんは「女のカミナリだ!」言ってますが、実際はバイクシーンはスタントマンが運転。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/8e/f7/j/o0800060013408721359.jpg?caw=800)
加代子(三条魔子)
宇津井さんの同僚(国方伝)の婚約者だったが、国方さんが不慮の事故死に。
いつものツンデレではなく、大映の三条江梨子時代の様な清純派キャラでしたが、国方さん死後は、未亡人の様な暗いキャラになります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/e4/4d/j/o0800060013408721532.jpg?caw=800)
小島嘉一(伊達正三郎)左と大前田(国方伝)
両者共、宇津井さんの同僚で友人ですが、伊達さん操縦のセスナ機が墜落して、国方さんが亡くなり、自身も負傷し新聞社を退社。
兄(若宮隆二)の経営する小島モータースで働きますが、兄も事故死してしまい、伊達さんが経営することになります。
因みに、伊達正三郎さんの「正三郎」は丹波哲郎さんから貰った名前です。
丹波さんの本名は丹波正三郎です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/b0/c8/j/o0800060013408721666.jpg?caw=800)
亜細亜モータース社長・黒岩(芝田新)
アメリカの会社へモーターボートを受注するためには、殺人も厭わない悪徳社長です。
宇津井さんがライバル会社(小島モータース)の知り合いなのを知って、自陣営に取り込んだのは知恵者ですが、何となく抜けた所もあります。
芝田新さんは、主に中川信夫監督の作品に出演するベテラン俳優ですが、日活にもよく出演しております。
私は新東宝のベテラン俳優の中では、芝田新さんが一番好きです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/6d/d3/j/o0800060013408721851.jpg?caw=800)
トミ(魚住純子)
亜細亜モータース社長の情婦ですが、彼女もスポーツカーを乗り回すスピード狂。
社長の命令で宇津井さんを陣営側に誘いますが、宇津井さんを好きになってしまいます。
今年亡くなった、魚住さんの代表作でもあります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/d0/3b/j/o0800060013408721955.jpg?caw=800)
スピード狂の宇津井さん、前半は魚住さんの魅力というよりも、彼女のスポーツカーに惹かれて、輝美さんを袖にします。
輝美さんファンですが、どうみても魚住さんとの方が似合っていると思います(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/82/dc/j/o0800060013408722176.jpg?caw=800)
宇津井さんの父親役が石川冷さん。
黒岩社長は、飲んだくれの父親を利用して、小島モータースの機密を得ます。
石川冷さんは、宇津井さんの「不肖の父親」役をよく演じていますね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/e6/6a/j/o0800060013408722271.jpg?caw=800)
中間は略しますが紆余曲折あって、宇津井さんは小島モータース陣営に入ります。
小島モータースのエンジン設計図を手に入れ、互角の立場になった亜細亜モータースですが、宇津井さんが、対立するモーターボート乗りになってしまったので、最後の手段として、輝美さんと三条さんを拉致して、宇津井さんにモーターボート競争に負けるよう強迫します。
ここが名シーン、いや迷シーン
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/b6/f5/j/o0800060013408722359.jpg?caw=800)
「この顔をギタギタにされたくなかったら、レースに負けるんだ」と脅す芝田さん!
宇津井さんは「嫌だ。俺はスピードで負けるのは嫌だ!」
びっくりした輝美さんの表情!
芝田さんも、まさかの発言にびっくりして、もう一度問い直すと、宇津井さんはようやく了解します。
自分のポリシーの為なら、「自分の彼女がどうなってもいい」という面を一瞬見せた宇津井健!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/13/b2/j/o0800060013408722698.jpg?caw=800)
亜細亜モータースの木村(泉田洋志)
輝美さん達は魚住さんに助け出され、五分の勝負が出来ると思いきや、社長はスナイパーまで用意して勝とうとします。
すると、それまで極悪だった泉田さんはスナイパーが居ることを宇津井さんに告げ。
「松崎。これで貴様と互角の勝負ができそうだ。レースに女を賭けるか」
「俺が勝ったら絹子はもらう。お前が勝ったら好きにするさ」と言います
すると宇津井さんは「勝手なことをぬかすな」と拒否しますが。
泉田さんは「スピード競争に自信があるなら、堂々と絹子を賭けてみろ」と宇津井さんの痛い所をつきます。
案の定「ようし。貴様も俺もスピードに命を賭けた男だ。女を賭けてぶっ飛ばそう」
何だか凄い展開になって来ましたが、映画タイトル「女と命をかけてブッ飛ばせ」はここから来ているのです。
「女」は当然輝美さんです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/5d/8b/j/o0800060013408722753.jpg?caw=800)
モーターボートを操縦する宇津井さん
「小島モータース」のネーム入りヘルメットが、なんか微笑ましいです(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/5b/55/j/o0800060013408722859.jpg?caw=800)
宇津井さんを声援する輝美さん
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/b4/b8/j/o0800060013408722965.jpg?caw=800)
輝美さんと三条さん
輝美さんの方が二歳年上ですが、特に今回は三条さんの方が年上に見えました。
当時の二人は仲良しで、グループ交際をよくやっていたそうです。
(輝美さんは菅原文太さんと、三条さんは小林悟監督と)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/2d/89/j/o0800060013408723046.jpg?caw=800)
焦った社長がスナイパーからライフルを奪い、撃ちまくるが、誤って泉田さんを撃ってしまい、ボートは二人に向かって突進!爆発してしまいました。
勝った宇津井さんを祝福する輝美さん。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/3e/af/j/o0800060013408723143.jpg?caw=800)
すると、宇津井さんは魚住さんからスポーツカーを借り、輝美さんに「僕は今までスピードに命を賭けた。だがこれからは君に命を賭ける」と言いました。
あの宇津井さんからここまで言わせた輝美さんは凄いです(笑)
あとがき
もう皆さん分かってると思いますが、ツッコミどころが満載です。
ストーリーも滅茶苦茶過ぎる所が多々ありますが、それでも面白い!
新東宝の良さが全面に出た作品と思います。
音楽が三保敬太郎さんで、彼の明るいジャズも作品に花を添えてくれていますね。
1960年(昭和35年)新東宝
「女と命をかけてブッ飛ばせ」
曲谷守平監督
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/3f/f7/j/o0800060013408720919.jpg?caw=800)
あらすじ
猪突猛進のスピード狂である松崎一夫(宇津井健)は、東朝新聞の記事輸送員。
特ダネ記事をバイクで新聞社に送るのが仕事だが、仕事の為ならスピード違反はへっちゃらで、その事で編集部といつも口論していた。
ある日、同僚が事故を起こし会社から首になったのに腹を立て、部長(九重京司)と大口論の末会社を辞めてしまう。
新東宝末期のプログラムピクチャーですが、「女と命をかけてブッ飛ばせ」のネーミングが非常にストレートですね(笑)
特に曲谷守平監督は、こういうネーミングの作品を多く撮っています。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/8e/87/j/o0800060013408721002.jpg?caw=800)
松崎一夫(宇津井健)
「ブッ飛ばし」だけが俺の生きがいと公言するスピード狂。
新聞社を辞めた後、スカウトされていたモーターボート乗りになります。
自説を曲げない、猪突猛進型は宇津井さんにピッタリですが、バイク乗りやモーターボート乗りに向いているとは思えません(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/ab/4b/j/o0800060013408721116.jpg?caw=800)
小島絹子(星輝美)
宇津井さんの同僚(伊達正三郎)の妹だが、輝美さん、遂にこの作品で宇津井さんの相手役になります。
宇津井さんの彼女設定なので、若干大人っぽい演技です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/75/af/j/o0800060013408721190.jpg?caw=800)
輝美さんは女ライダーだった!
宇津井さんは「女のカミナリだ!」言ってますが、実際はバイクシーンはスタントマンが運転。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/8e/f7/j/o0800060013408721359.jpg?caw=800)
加代子(三条魔子)
宇津井さんの同僚(国方伝)の婚約者だったが、国方さんが不慮の事故死に。
いつものツンデレではなく、大映の三条江梨子時代の様な清純派キャラでしたが、国方さん死後は、未亡人の様な暗いキャラになります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/e4/4d/j/o0800060013408721532.jpg?caw=800)
小島嘉一(伊達正三郎)左と大前田(国方伝)
両者共、宇津井さんの同僚で友人ですが、伊達さん操縦のセスナ機が墜落して、国方さんが亡くなり、自身も負傷し新聞社を退社。
兄(若宮隆二)の経営する小島モータースで働きますが、兄も事故死してしまい、伊達さんが経営することになります。
因みに、伊達正三郎さんの「正三郎」は丹波哲郎さんから貰った名前です。
丹波さんの本名は丹波正三郎です。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/b0/c8/j/o0800060013408721666.jpg?caw=800)
亜細亜モータース社長・黒岩(芝田新)
アメリカの会社へモーターボートを受注するためには、殺人も厭わない悪徳社長です。
宇津井さんがライバル会社(小島モータース)の知り合いなのを知って、自陣営に取り込んだのは知恵者ですが、何となく抜けた所もあります。
芝田新さんは、主に中川信夫監督の作品に出演するベテラン俳優ですが、日活にもよく出演しております。
私は新東宝のベテラン俳優の中では、芝田新さんが一番好きです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/6d/d3/j/o0800060013408721851.jpg?caw=800)
トミ(魚住純子)
亜細亜モータース社長の情婦ですが、彼女もスポーツカーを乗り回すスピード狂。
社長の命令で宇津井さんを陣営側に誘いますが、宇津井さんを好きになってしまいます。
今年亡くなった、魚住さんの代表作でもあります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/d0/3b/j/o0800060013408721955.jpg?caw=800)
スピード狂の宇津井さん、前半は魚住さんの魅力というよりも、彼女のスポーツカーに惹かれて、輝美さんを袖にします。
輝美さんファンですが、どうみても魚住さんとの方が似合っていると思います(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/82/dc/j/o0800060013408722176.jpg?caw=800)
宇津井さんの父親役が石川冷さん。
黒岩社長は、飲んだくれの父親を利用して、小島モータースの機密を得ます。
石川冷さんは、宇津井さんの「不肖の父親」役をよく演じていますね。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/e6/6a/j/o0800060013408722271.jpg?caw=800)
中間は略しますが紆余曲折あって、宇津井さんは小島モータース陣営に入ります。
小島モータースのエンジン設計図を手に入れ、互角の立場になった亜細亜モータースですが、宇津井さんが、対立するモーターボート乗りになってしまったので、最後の手段として、輝美さんと三条さんを拉致して、宇津井さんにモーターボート競争に負けるよう強迫します。
ここが名シーン、いや迷シーン
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/b6/f5/j/o0800060013408722359.jpg?caw=800)
「この顔をギタギタにされたくなかったら、レースに負けるんだ」と脅す芝田さん!
宇津井さんは「嫌だ。俺はスピードで負けるのは嫌だ!」
びっくりした輝美さんの表情!
芝田さんも、まさかの発言にびっくりして、もう一度問い直すと、宇津井さんはようやく了解します。
自分のポリシーの為なら、「自分の彼女がどうなってもいい」という面を一瞬見せた宇津井健!
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/13/b2/j/o0800060013408722698.jpg?caw=800)
亜細亜モータースの木村(泉田洋志)
輝美さん達は魚住さんに助け出され、五分の勝負が出来ると思いきや、社長はスナイパーまで用意して勝とうとします。
すると、それまで極悪だった泉田さんはスナイパーが居ることを宇津井さんに告げ。
「松崎。これで貴様と互角の勝負ができそうだ。レースに女を賭けるか」
「俺が勝ったら絹子はもらう。お前が勝ったら好きにするさ」と言います
すると宇津井さんは「勝手なことをぬかすな」と拒否しますが。
泉田さんは「スピード競争に自信があるなら、堂々と絹子を賭けてみろ」と宇津井さんの痛い所をつきます。
案の定「ようし。貴様も俺もスピードに命を賭けた男だ。女を賭けてぶっ飛ばそう」
何だか凄い展開になって来ましたが、映画タイトル「女と命をかけてブッ飛ばせ」はここから来ているのです。
「女」は当然輝美さんです。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/5d/8b/j/o0800060013408722753.jpg?caw=800)
モーターボートを操縦する宇津井さん
「小島モータース」のネーム入りヘルメットが、なんか微笑ましいです(笑)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/5b/55/j/o0800060013408722859.jpg?caw=800)
宇津井さんを声援する輝美さん
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/b4/b8/j/o0800060013408722965.jpg?caw=800)
輝美さんと三条さん
輝美さんの方が二歳年上ですが、特に今回は三条さんの方が年上に見えました。
当時の二人は仲良しで、グループ交際をよくやっていたそうです。
(輝美さんは菅原文太さんと、三条さんは小林悟監督と)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/2d/89/j/o0800060013408723046.jpg?caw=800)
焦った社長がスナイパーからライフルを奪い、撃ちまくるが、誤って泉田さんを撃ってしまい、ボートは二人に向かって突進!爆発してしまいました。
勝った宇津井さんを祝福する輝美さん。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20150828/10/bareras/3e/af/j/o0800060013408723143.jpg?caw=800)
すると、宇津井さんは魚住さんからスポーツカーを借り、輝美さんに「僕は今までスピードに命を賭けた。だがこれからは君に命を賭ける」と言いました。
あの宇津井さんからここまで言わせた輝美さんは凄いです(笑)
あとがき
もう皆さん分かってると思いますが、ツッコミどころが満載です。
ストーリーも滅茶苦茶過ぎる所が多々ありますが、それでも面白い!
新東宝の良さが全面に出た作品と思います。
音楽が三保敬太郎さんで、彼の明るいジャズも作品に花を添えてくれていますね。