今回紹介する作品は
1971年(昭和46年)日活製作 ダイニチ映配配給
「谷岡ヤスジのメッタメタガキ道講座」
江崎実生監督



あらすじ
オラ山家の珍騒動を中心に、長男ガキ夫の大人に対する飽くなきレジスタンスを描いた、谷岡ヤスジ先生の人気漫画の映画化です。



主人公・オラ山ガキ夫(松原和仁)
あらすじに「大人に対する飽くなきレジスタンス」と書きましたが、要はクソガキ・マセガキです。
小学生のくせに父親をゆすり、同級生とHし、挙句に年増にも手を出します。

松原和仁君は一般公募で選ばれた素人で、まぁ台詞も多いのによく頑張ってますね。



父親のオラ山ダメ次(三波伸介)
会社では課長で浮気性、部下には威張りますが、女房には全く頭が上がりません。
三波さんは後に松竹「ダメおやじ」で主演することになりますが、ダメっぷりな所はかなり似てますね。



母親のオラ山メタ子(藤江リカ)
ダメおやじの鬼ババ程ではありませんが、夫に対して色々な面で欲求不満です。
藤江さんに向いたキャラだと思います。



弟のオラ山キン太(アタック一郎)
赤ちゃんのくせに兄貴に劣らぬマセガキです。

アタック一郎さんは「ハレンチ学園」等ダイニチ時代の日活に何本か出演しています。
経歴は全く分かりませんが、上手く使えば白木みのる二世になれたかも知れません。



お婆ちゃんのオラ山ウメ(武智豊子)
オラ山家では一番まともなキャラです。
武智さんが演じてるにしては大人しいな。



冒頭に登場するセールスマン役の仁鶴さん。
横にいる男は藤江さんに売りつけるゴム人形です(笑)



ガキ夫の同級生の母親・カツ子(若水ヤエ子)
このシーンの後、藤枝さんと取っ組み合いの喧嘩をしますが、若水さんの滑舌が悪いです。
若水さんはこの2年後に45歳で急死しますが、この頃から体調が悪かったのかも知れません。



三波さんの会社の社長(南利明)と愛人で秘書のガメ子(沢知美)
この作品はヒロインらしい人がいないのですが、あえて挙げればこの方でしょうか。
ガキ夫は、沢さんにも目を付け、身体を要求します。



主題歌を歌う谷岡ヤスジ先生も、歌手役で出演



鉄道シーンは京王2010系電車

しかし、一番注目すべきなのはこの方


ムジ鳥(宍戸錠)
全国的にアサー!!と言うだけの役ですが、エースの錠の宍戸さんがよく引き受けましたね。


あとがき
「ハレンチ学園」以上に過激な作品ですが、ハレンチ学園程ヒットはしなかった様です。
ダイニチ映配時代といえど、一般作品なので表現に限界があります。
裸も後半になるまで出ませんし。
当時のお客さんは、その辺が原作の漫画より物足りなく感じたのかも知れませんね。

普通にコメディとして観たら、充分面白いですけど。


動画は谷岡ヤスジ先生が歌う主題歌「ヤスジのオラオラ節」です