今回紹介する作品は
1969年(昭和44年)創造社・ATG
「少年」
大島渚監督


あらすじ
家族4人が「当たり屋」をしながら日本全国を巡る。
1966年にあった当たり屋事件の映画化です。



これが当たり屋で生計を立てていた家族

※キャストですが、映画冒頭のクレジットやネット上には「少年」「父」「母」「チビ」としか書かれていませんが、ラストシーンで名前を読み上げる場面がありましたのでカタカナ表記します。



主人公のオオムラトシオ(阿部哲夫)
当初は継母がやっていた当たり屋を10歳のこの子がやるようになります。

阿部哲夫君は児童劇団の子ではなく素人。
大島監督は彼を見て即決採用したそうですが、目に特徴のある少年で、彼がいなければこの映画の成功は無かったと言えるほど存在感がありますね。



オオムラタケオ(渡辺 文雄)
当たり屋の計画や示談担当 高知県出身前科4犯
従軍時に貫通弾を浴び、その後遺症を理由に当たり屋をするようになる。
綿密な計画で犯罪者としての才能はありますが、金遣いが荒く、その為に何度も当たり屋をする事になり、それが命取りになります。



タニグチタケコ(小山明子)
タケオの内縁の妻で当たり屋担当、大阪市出身
3歳の子はタケオとの実子だが、トシオはタケオの前妻の子供で継母になる。

原色の服を好む派手好き。
映画製作の予算が少ないので衣装は現地の格安バーゲン品を調達。
小山さんはそれを着るのが大変不満で、ロケ中不貞腐れていたそうです。



国鉄城崎駅のコンコース

劇中では国鉄職員の愛想の悪さが映し出されます。




東北本線を走る客車列車の車内



独立プロの製作ですので列車のセット等は当然使えず本物を使ってのロケですが、
やはり本物を使うと臨場感が違いますね。



秋田駅に到着した急行列車
愛称は見えませんでしたが、終着秋田のアナウンスと青森行の寝台特急「日本海」への乗り継ぎの案内から、急行「鳥海1号」と思われます。



秋田駅舎をバックにする当たり屋家族
その後飛行機で北海道に渡り、遂に日本最北端・宗谷岬までさすらいました。



南海難波駅と大阪球場

結局事件が発覚し、大阪市内に潜伏している所を発見されます。



最後に、捜査員に発見された時の小山さんの表情ビックリマーク
頬が痙攣した良い演技でした。



あとがき
この作品は1000万円映画と呼ばれる低予算ですが、全国縦断ロケを敢行したロードムービーの為に色々切りつめても予算を大幅にオーバーしたそうです。

プログラムピクチャーの娯楽作品が好きな私にとって、大島渚監督作品はあまり馴染めないのですが、「少年」は良い作品だと思いました。