今回は2年ぶりに時代劇作品を紹介します
1958年(昭和33年)新東宝
「人形佐七捕物帖 腰元刺青死美人」
山田達雄監督


あらすじ
刺青をした女の死体が発見され、佐七親分が真相解明に乗り出した。
新東宝の人形佐七シリーズ第五弾です。

新東宝は他社に比べてシリーズ作品が非常に少ないですが、そんな中で珍しくシリーズ化された作品です。



佐七親分(若山富三郎)
人形の様に端正な顔なのでそう呼ばれた「人形佐七」
あの若山さんにもこんな役があったのです。

若山さんは佐七役を新東宝で5作、東映で6作演じました。
人形佐七は初期の代表作です。




構える佐七親分と子分の辰(小高まさる)左側と豆六(水原爆)





女刺青師・お蝶(日比野恵子)
日比野さんは山本富士子さんに続いてミス日本から銀幕デビュー。
時代劇出演が多く、若山さんの「人形佐七」シリーズには全作品に出演。
前半3作では佐七の女房・お粂役でしたが、後半は何故か別役になりました。



日比野さんは御覧の様に日本映画界でも屈指の美人女優ですが、思ったほど人気が出なかった様です。
演技も決して下手ではなく、私は好きですけどね。

余談ですが、日比野恵子さんと山本富士子さんは大変仲が良かったそうです。
そして、フィリピン系の大金持ちと結婚して女優を引退しました。




騒動の元になった、高山藩の殿様(市川門三郎)
腰元に対して「万事余に任せよ」と言い背中に刺青を彫らせました。

目的は江戸城攻略図面の隠し場所の在処の暗号を記す事。
江戸城攻略も殿様の勝手な妄想で(たかが十五万石一藩でどうするつもり?)、刺青を彫らせた後直ぐにぽっくりお亡くなりになりました。

刺青された腰元達の将来はどうなるんだよ。



腰元達に彫った刺青を眺めるお殿様



家老・奥村主膳(沼田曜一)
バカ殿の妄想の後始末をする為に画策したが、江戸城攻略が明るみになった為、隠密や佐七に自分の責任だと御家存続を嘆願し切腹して詫びる。
宮仕えは辛い



宮様と呼ばれる幕府の隠密・宮部三十郎(中山昭二)
腕利きの隠密と思いきや、ミス連発でしたね。
まぁ中山昭二さんには向かない役でした。




内海新之丞(天知茂)
この作品の影の主役です。



情婦のお滝(山村邦子)と天知さん
天知さんの役は「東海道四谷怪談」の田宮伊右衛門と似ていて、大店の婿養子になるために邪魔なお滝を刺青騒動に紛れて殺害します。
お滝も刺青を入れた姐さんでした。



大店の娘・お露(瀬戸麗子)
「東海道四谷怪談」のお梅的な役柄。
但し、彼女は高山藩の元腰元で刺青を彫られていましたが。

瀬戸麗子さんはスーパージャイアンツ1作目(鋼鉄の巨人)でデビューしました。



色悪も板についた天知さん

これまで現代劇はともかく時代劇で主役を張るにはイマイチ足りない演技でしたが、殺陣も上手くなりこれでようやく完成されましたね。

事実は分かりませんが内海新之丞の好演が評価されて、自身の代表作になる田宮伊右衛門役が決まったのでしょう。


天知さんの色悪が印象に残った作品でした。