今回紹介する作品は

1963年(昭和38年)日活
「丘は花ざかり」

堀池清監督


あらすじ
東洋評論社に入社した香月美和子(浅丘ルリ子)は、言い寄る年上の同僚・野崎正也(川地民男)には友達付き合いのみで目もくれず、子持ちの編集長・野呂卓三(二谷英明)に惹かれる。

石坂洋次郎原作ですが、この作品のエピソードの多数が以前特集したドラマ版「雨の中に消えて」に使われ、ドラマ版「雨の中に消えて」は映画版「雨の中に消えて」と「丘は花ざかり」の合作だった事が分かりました。



主人公・香月美和子(浅丘ルリ子)
しっかり者で計算高く、頼りない同年代の男性では満足出来ない、やや高ビーなキャラ
ドラマ版「雨の中に消えて」の河原たか子役の広瀬みさと全く同じキャラです。

個人的にはこういうキャラはあまり好きではありませんが、ルリ子さんが演じると可愛くて嫌味がなく何となく「ゆったり」としていて観やすいんです。
※広瀬さんは観ていてちょっと疲れる。


同じキャラでも演じる人が変わると、こうも感じが変わるものなのですね。




ルリ子さんは水着姿も披露


そして登場人物の中にはドラマ版「雨の中に消えて」にも同じキャラで出演する方が


同僚の野崎正也(川地民男)
ルリ子さんより年上で先輩だが、あだ名が「坊や」でルリ子さんには頼りない存在。
ドラマ同様結局カップルになりますが。

ドラマ版「雨の中に消えて」の川地さんはもう少し積極的なキャラでした。



野呂編集長(二谷英明)の母親(村瀬幸子)



同僚の先輩・岩本ひさ子(高田敏江)
オールドミスで会社人間だが、そのことを後悔するシーンはドラマ版「雨の中に消えて」にもありました。

ドラマ版「雨の中に消えて」はこの映画の3年後に撮られましたが、3人が同じ役柄を演じたのは単なる偶然なのでしょうか。

ただ、浜川智子が演じた同期入社のキャラは、この作品には居ませんでした。



編集長・野呂卓三(二谷英明)
先妻に死に別れ、母親と二人の子供と生活しているのはドラマと同じなんですが、こちらの方が恋人らしい付き合い方をしています。

ドラマ版「雨の中に消えて」の編集長(菅原謙二)は菅原さんが年長だからか、恋人と言うよりも上司と部下から逸脱せずに、なにかよそよそしいのです。

ただ、編集長が「ヤドカリ」を例に出して別れるシーンは二谷さんよりも菅原さんの演技の方が良かったです。



鉄道シーンは新宿23時30分発松本行の夜行準急列車 
愛称は見えませんでしたが「穂高」と思われます。

ルリ子さんと別れた二谷さんが子供たちと見合い相手に会いに行きます。

男の子は後に「悪魔くん」「ジャイアントロボ」で主演する金子光伸です。




現在と違って23時過ぎの新宿駅は静かですね。



おまけで
ルリ子さん宅のSHARP製白黒テレビと


二谷さん宅の三菱製ラジオ

このラジオのデザイン好きですね音譜


主題歌はルリ子さんが歌いました
一人で歌うのはこれがデビュー曲です



「丘は花ざかり」のルリ子さんは、今まで観た作品の中で一番好きでしてお勧めです音譜