「花と嵐とギャング」には石井輝男監督作品になくてはならない人物が出演しています。
その名は沖竜次
沖竜次は元々沖啓二として東映からデビューしましたので、新東宝が崩壊した後、今回里帰り出演になるわけです。
新東宝時代の沖竜次は、「石井組」の一員として数々の作品に重要なバイプレーヤ-として活躍して来ました。
今回の役は「ツンパ」と言うあだ名の河北組組員・山藤
スマイリー健(高倉健)とは元々敵同士の間柄です。
流石に沖竜次は石井組だけあって、ツボを心得ていました♪
その後の沖竜次ですが、名前を高須賀忍と改名してテレビドラマでも活躍する。そして念願の映画初主演になる昨年亡くなった若松孝二監督の「誤審」のロケ中、二人が手錠で繋がれたまま増水した川を渡るシーンで川に流されてしまい、沖竜次ともう一人の俳優は数日後水死体で発見されました。
存命ならばもっと活躍した俳優でしたね。
そして、スマイリー健の女房・佐和を演じたのは小宮光江
私は小宮光江の事を今回始めて知りましたが、この当時よく高倉健の相手役を演じていたようです。
石井輝男好みの歯切れの良い演技で、続編にも出演していましたが、この翌年に自殺してしまいました。
最後は河北組組長(佐々木孝丸)とその情婦・お若(八代万智子)です。
佐々木孝丸はフリーながら新東宝でも活躍したベテラン俳優で、石井輝男作品にも出演していましたので、監督とは気心が知れています。
そして、八代万智子の役は嫉妬心が強く、組長が人質として連れて来た佐和(小宮光江)に嫉妬し組長を毒殺する怖いキャラでしたが、イマイチ存在感がありませんでした。
この当時は未だ女優として光っておりませんでしたが、後に「プレイガール」の万智子姐さんとして大活躍することになります。