「女妖」のラストは、昭和30年代映画の列車内シーンは何故セット撮影が多いのかを検証します。
理由1
この頃の映画撮影所内のセットは充実していて、鉄ちゃんやコアな映画ファンでない限り、そのシーンがセットであると判らなかった。
写真は野添ひとみ編と叶順子編の列車内シーンですが、特に野添ひとみ編では実際に客車が動く相当に手が込んだセットであります。
理由2
特に昭和30年代のカラー撮影をするには、相当な光量が必要だったので、室内ロケをするのには大掛かりなバッテリーが必要だった訳です。
となると、列車内撮影をするのには最低でも一両まるごと借り切る必要がありますし、わざわざ役者や撮影スタッフをロケに費やす時間や費用を考えたら、撮影所のセットで充分だと考えたのでしょう。
当時の一般映画はプログラムピクチャーと言って、現在では考えられない程短期間・低予算で製作し、上映期間も1~2週間程度でした。
逆に言えばこの当時、実際の列車を使って列車内シーンを撮影している映画は、映画会社が力を入れていた作品!となりますね。

