旅の途中の森の中。
「仲間とぉ…はぐれなさったかね」
その小屋に住んでいるらしき老人は、お茶を入れながら言った。
「そのようです。さすがは『迷いの森』の名の通りですね。弱りました」
男は、お茶を入れる老人の慣れない手つきを見ながら答えた。
「あんた今ぁ、わしの手際が悪いと思ったろう? ふふっ。なにせここには客人がほとんど来ないものでなぁ。茶を入れ慣れる機会も無いというわけじゃ」
老人は続ける。
「森を抜け出るのは簡単よ。小屋を出てまっすぐ進めば良い。そういう意味ではここは迷いの森などではない。わしの所に偶然辿り着く者が少ないのさ。道に迷った者だけがここに辿り着く。そういう意味では迷いの森じゃなぁ」
意味が分からなくなってきた男の戸惑いをよそに、老人はだんだん楽しくなってきたように話し続けた。
「あんた吟遊詩人じゃな。剣もぉ…まぁ持っているようじゃが。どうじゃ、茶の礼にというわけでもないが、わしに冒険譚を聞かせていかんか? どうせこの小屋を、この森を出たって歌を聞いてくれる者もいないのじゃろう? おおっとぉ、気を悪くしたかい? もう一度言おうか?」
“道に迷った者だけが ここに辿り着く”
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ブログ開設以来、客人はほとんど来ません。たま~に、まるで迷いこんだかのように2、3日に一人くらい。「べつにそれでいいんですけどね」と斜に構えるつもりはありませんが、一人で語ることには慣れています。ひっそりとやっていきますよ。ああ、独演会開きてぇ。誰も聴かねぇ。
2021/4/14の【序】
【序】語るだけの駄目リーダー | 吟遊舞踏苦労狂 ~Bard Ball Chronicle~ (ameblo.jp)
で「語っているだけのリーダーはダメ」と自虐的に言いましたが、本心ではありません。語らない競技ダンスは無い、と信じています(語らずとも伝わるということは、僕のようなヘタッピでもたまにありますが)。
僕は語りたいんです。本当はパートナーと語り合いたいんですけどね。
相変わらず、「ダンスは語るものじゃない!」「語っても上手くならん!」なんだそーです! それも間違っちゃいませんけどね!
昨日までのブログを読み返すと、知らない間に「語るのはダメ!」という意見に迎合した内容に近づいちゃってるなぁ、と思います。口だけ男ぶりは十分発揮していますが、僕の語り部ぶりはこんなもんじゃないんです。
ですから。せっかく。ほとんど人に聞かれない場所(見られないブログ)なので、「王様の耳は…」のごとく、今後は僕なりのダンスの話を恥ずかしげも無く存分に語ります。
僕にとってダンスってなんなのか。どう踊りたいのか。なんで踊ってんのか。
女子陣から「語り部」とバカにされて上等! 語り部の反撃開始!
ここからがダンス冒険譚の本当のはじまりです。たぶん。