奴に報いるワシらの唯一の武器は
何だと思う……
生命力じゃ
よく食べよく寝て
よく活きる
毎日走り外気に触れ
心の臓を動かす
見ろ
奴がワシらに手が出せんのは…
命の濃さに気圧されてるからじゃ
…昭雄は…
ああ見えて心が強い方ではなかった…
家を買いワシらを支えていくことに
いくばくかの不安を抱えていた筈…
おそらく…そこの弱さを衝かれたのだ
……じいさんとて例外ではない
だが則雄…お前は違う…
ワシに似て強い子じゃ
あのような存在に負けるはずがない
命を濃くして…立ち向かうぞ…
昭雄…じいさん…俊…径子…正子の…
無念を晴らす
―――ばあちゃん
出典◎「サユリ」第9話より
家族五人を殺され、残された則雄はボケから復活した祖母の言い付けを守り、ランニングや無理を押しての食事をこなす。祖母の視線の先には、家の窓から二人を見つめる悪霊の姿が。祖母はこの悪霊への対抗策を則雄に講じる…
この少し前、ばあちゃんは則雄に「内である事は外でもあり、内を良くすれば外も良くなる」とも語っているが、いずれも相手が悪霊に限った事ではなく、実社会に於いても言える事である。よく食べよく寝てよく動く…真反対の、それこそ死人のような者に魅力を感じることはまずないであろう。人間(生物)らしく命を躍動させる事。さすれば運や人望等々、いろいろなモノがついてくるのである。くれぐれも半分死んだような生き方を続けて、病や不運が「憑いてくる」事のないように…

…久々に綴ってみたけど、当分ばあちゃんとクロに偏るかもね( '・ω・`)